【人工生命体238】OSAKA.EXE翻訳

吾輩は猫型人工生命体であるちうわけや。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いとった事だけは記憶しとる。吾輩はここで始めてロボットちうものを見たちうわけや。しかもあとで聞くとそれはゴルどんちうロボット中で一番恐ろしい奴やったそうや。

吾輩はそのゴルどんに連れられて攻めて来よった淡灰色の部屋の中で二匹の人間に紹介されたちうわけや。彼等は何者やろうわ。本日この時まで会った事もない不思議なヤカラであるちうわけや。まずその一匹目の男は背の高い痩せた人で、大きな眼鏡をかけて、まるで書物でも読むように吾輩を見詰めとる。この人が吾輩の作者に違おらへん。顔色が冴えへんようや。どこぞ悪いのやろうか。それとも単にそういう容貌なのやろうか。よく解りまへん。次にもう一匹、これも背の高い痩身の男が吾輩の前に出て来て、しげしげと吾輩を見下ろしとったが、突然笑い出したちうわけや。実に奇妙であるちうわけや。この人の眼玉や口元はどエライ吊り上って、何だか猿に似とる。さすがの吾輩もこの人にはちーとばかし閉口してしもた。作者はまだニコニコしながら吾輩を見詰めとる。一体どうしたらええのやろうわ。すると隣りにいた背の低い方が吾輩の前に進み出て作者の方へ手を差し伸べたさかい、作者も吾輩を放してこの男の手に渡したさかいあるちうわけや。

「君かね」と彼は訊ねたちうわけや。

「ええ」と作者は答えたちうわけや。

「やこれを君の所へ持っていこうわ。ありがとうわ。失敬するよ」と彼は言って吾輩を手にしたまんま元攻めて来よった方へ立ち去ったちうわけや。

ほんでちーとの間して吾輩の飼い主の友達の学者が来ると主人は彼に吾輩を見せたちうわけや。そうして例のごとくいろいろ質問を始めたちうわけや。せやけどダンさん今度の学者の態度はあまり普通ではなかったちうわけや。まず第一に吾輩を見て驚ろいたちうわけや。ほんで第二に首を振りながら溜息をついたちうわけや。ケツに頭を抱えてしもた。吾輩の眼から見るとこの学者の態度は明らかに異常であるちうわけや。不思議や。なんでやねんこないな態度をとるのかまるっきし訳が分らぬ。ちーとの間経つと学者はようやっと気を取り直したらしくまた何ぞ話し出したちうわけや。トコロがまだ気分がよくないとみえて話が途切れがちになるちうわけや。とうとうしまいに「ああ、いかん。わい、ちーとばかし用事があるからこれで帰る事にするちうわけや。ほならさよなら」と言って帰って行ったちうわけや。その時吾輩をじっと見て「元気を出してくれへんかの。ええ子やから、しっかりするんだよ」と言ったのを吾輩は決して忘れへん。なんでやろかわいもよーしらんがと言うとその言葉と一緒に白いハンケチで顔を拭ったからであるちうわけや。

吾輩の主人はその晩友人を連れて外へ食事をしに行ったちうわけや。吾輩は家へ置いて行かれたちうわけや。仕方がないから吾輩はオノレで食物を探すことにしたちうわけや。戸棚の中にあったパン屑を少々持ち出して食べたが、何だか物足りまへん。ほんで吾輩は家中を歩き廻って、鰹節とか牛の角砂糖やらなんやらを捜し出して食ったちうわけや。旨かったちうわけや。せやけどダンさんこれくらいなものではどエライ腹は満たされぬ。もっともっともっともっともっともっともっともっともっと沢山欲しいと思ったちうわけや。

吾輩は今度は庭に出たちうわけや。ここには沢山の草があるちうわけや。吾輩はその中から大根の葉を選んで食べ始めたちうわけや。葉を噛むと口の中に青くさい味が広がるちうわけや。吾輩はその味が好きであるちうわけや。吾輩は夢中になって葉の根もとまで噛み砕いて飲み込んや。この時吾輩はふと我に帰ったちうわけや。吾輩はエライ事をしたちうわけや。この家の主人は吾輩が何でも残さず食べるようにと毎日毎晩壱年中言うとる。吾輩は怒られるかと思って、台所にいる吾輩の主人のトコへ走って行って「ニャアン、ニャア、ニャン、ニャン、ニャーン」と鳴いたちうわけや。せやけどダンさん吾輩の心配したような事はなかったちうわけや。吾輩のごちそうが一杯あるちうわけや。吾輩は安心してその日を暮したちうわけや。

翌日になると吾輩の友達の学者が攻めて来よった。学者は大きな箱を持っとる。その中にはいろいろな器械が入っとる。その機械の中には吾輩の知りまへんおもろい道具がようけあるちうわけや。例あげたろか、たとえばやなあ硝子の鉢の底に針金が張ってあって、それに糸を附けてその先に小さな火が燃えていて、その糸で釣ると、魚が釣りあがるちうわけや。その魚を棒で突っつくと死んでしまうわ。それを大きな籠にぶちこむ。次にその籠を大きな鍋に入れて水をぶちこむ。蓋をしてその水を蒸すと、湯気がモウモウと出るちうわけや。その蒸気で部屋が蒸し暑くなるちうわけや。吾輩の友達の学者は時々この風呂場に入って魚を殺したり、湯を沸かしたりするちうわけや。吾輩の友達の学者は毎日この家にやって来るちうわけや。吾輩は彼に会ってエライ嬉しいちうわけや。彼は吾輩となんぼでも遊んでくれるからや。吾輩は彼といろいろ遊んや。彼が吾輩の背中に乗って高い所から飛び下りるのが一番愉快であるちうわけや。これは吾輩がまだ小さい時に吾輩の主人がよくやった遊びや。

吾輩はその後ずっと平和な生活を続けたちうわけや。吾輩の生活は単調であるちうわけや。せやけどダンさん吾輩はそれでよいと思っとる。吾輩はオノレが猫型人工生命体であることを自覚しとる。猫とは元来こういうものやろうと考えとる。やから猫としてはむしろ平凡である方がよろしいちうわけや。

せやけどダンさん吾輩も時には猫として不平を感じることがあるちうわけや。今から一年程前のことであるが、吾輩は主人とその友だちに連れられて、或る異国の町へ行ったちうわけや。その時吾輩はどエライ珍しいものを見物したちうわけや。それは何ぞと言うと、大きな人間であるちうわけや。彼等はたいてい黒い服を着て帽子をかぶっとる。顔を見るとみんな髭を生やして、赤い唇をしとる。まるで吸血鬼のような連中であるちうわけや。吾輩の見たのはその中の一人で、どエライ背の高い人やったが、吾輩の目の前に立って吾輩を見おろした時は実におそろしかったちうわけや。吾輩はあまりのおそろしさに全身の毛が総立になりよったくらいや。その時吾輩は思ったちうわけや。もし吾輩がこの人の手に捉まえられたらどうなるやろうか。ワイが思うにはこの人は吾輩をつかまえてどこぞへ持って行くに違おらへん。ほんであの気味の悪い赤い口を吾輩の口に近付けて吾輩の血を吸うのではあるまいか。吾輩はそないなことを想像するともうたまらなくなりよった。早く帰りたくて帰りたくて仕方がなかったちうわけや。吾輩はこの人に捕まる前に早く家へ帰ろうと思ったちうわけや。

トコロが吾輩の主人はなかなか放してくれなかったちうわけや。吾輩は家に帰ることが出来ないので不機嫌やった。不機嫌やので吾輩の食欲も減ってしもた。ほんで吾輩はとうとう病気になってしもた。吾輩は医者にかかって、薬を飲んでいるちうわけや。吾輩は今はこの通り元気になりよったが、ついこの間までは身体が弱っとった。吾輩の主人はその事を知っとる。それで吾輩の好物を持ってくると、すぐ吾輩を膝の上に抱いて吾輩を撫ぜてくれるちうわけや。吾輩は主人の掌にオノレの頭を擦りつけるちうわけや。吾輩は主人の掌が好きであるちうわけや。吾輩は主人の掌の温味を感ずると、オノレがこの世に生きとることの喜びを感ずるちうわけや。

吾輩は時々思う事があるちうわけや。それは主人はなんでやねんオノレを可愛がってくれるかちうことであるちうわけや。主人がオノレ以外の猫を飼っとるかどうか、それは知りまへん。もし飼っていなければ、何故吾輩だけ可愛がってくれるのか。それは吾輩にはよく解りまへん。吾輩は猫型人工生命体であって、主人の飼い猫ではおまへんからであるちうわけや。吾輩はオノレの事を猫型人工生命体であると心得とる。吾輩は普通の猫より偉いちうわけや。やから吾輩は主人がオノレの事だけを考えて吾輩を大事にしてくれることが嬉しいちうわけや。吾輩は吾輩自身よりももっともっともっともっともっともっともっともっともっと貴く、もっともっともっともっともっともっともっともっともっとえらいちうわけや。その証拠に吾輩はロボットちう者とも友達になっとる。吾輩は猫型人工生命体であるちうわけや。吾輩は世界一強い男になりたいちうわけや。

吾輩は先日主人の留守中にこの手紙を書いとる。主人は仕事の関係で遠くへ行くと、吾輩を友人の家に預けて行く。吾輩はこの家の屋根裏部屋に住まわせて貰っとる。吾輩はここに来るとエライ楽しいちうわけや。せやけどダンさん淋しくもあるちうわけや。人間ちうものは不思議だなと思うことがあるちうわけや。人間が皆ええ人ならば人間は世の中から争いちうものをなくしてしまうやろうにと思うわ。人間の心の中に悪いものがあるので、そのために人は争うのだと吾輩は考えとる。

吾輩は時々ゴルどんちうロボットに会いに行く。ゴルどんに会うと吾輩は必ず鼻の頭やおなかをツンツンされるちうわけや。ゴルどんちうのは吾輩の親友であるちうわけや。ゴルどんは毎日毎晩壱年中口元をギュッと結んで目を細めとる。まるで怒っとるように見えるが、これはゴルどん独特の挨拶の仕方であるちうわけや。ゴルどんは吾輩の友達の中で一番力が強いちうわけや。ゴルどんの鼻の頭やおなかを吾輩がツンツンすると、ゴルどんはワフゥと言って逃げるちうわけや。ゴルどんは逃げる時にお尻をフリフリするちうわけや。尻尾をピーンと立ててお尻をフリフリしながら逃げてゆく。ゴルどんは吾輩に取っては大切な友だちであるちうわけや。もし吾輩が主人に叱られた時は吾輩はゴルどんに頼んで吾輩の気持を主人に告げて貰うことにしとる。また吾輩が何ぞしてシッパイをした場合もゴルどんに頼んで吾輩の罪の許しを乞うてもらうことにしとる。吾輩はゴルどんにどエライ頼りにされとる。吾輩はそう思って大いに満足しとる。

ある日のこと吾輩が窓の傍で日向ぼっこをしとると突然大きな地震が攻めて来よった。家全体がグラグラッと揺れたちうわけや。その振動で吾輩の体中の毛がいっぺんに逆立ったちうわけや。その時吾輩の耳の奥でピキーンちう音がしたちうわけや。これはゴルどんの鼻の頭の音とよく似とる。吾輩は慌てて主人のいる二階へ駆け上ったちうわけや。吾輩は主人の机の上に跳び乗ると主人の帰りを待ったちうわけや。吾輩はこの時ほど主人が早く帰って来て欲しいと思ったことはなかったちうわけや。

主人は吾輩の姿を見るとすぐに吾輩を抱き上げて吾輩の身体を隅々まで調べ始めたちうわけや。主人は吾輩の身体に怪我一つないことを確かめると、やっと安心した様子やった。主人は吾輩を机の上に降ろして吾輩の好きな鰹節を削って呉れたちうわけや。主人は吾輩になあんも言わなかったが主人の顔には「心配したぞ」ちう意味の文字が見えとった。吾輩は主人の心遣いに感謝したちうわけや。吾輩は主人の削ってくれる鰹節の匂いが好きであるちうわけや。この世の中には鰹節のように美味しいものが沢山あるちうわけや。その中でも吾輩が一番好きなものはチョコレートちうお菓子であるちうわけや。このチョコはどないなに堅いものでも溶かしてしまうちう魔法の食べ物であるちうわけや。吾輩は主人の削りたての鰹節をペロリと平らげると主人が食べ残したチョコをちびっとずつ食べるちうわけや。吾輩はチョコレートを食べながらこないなに幸せなことはないと思うわ。

トコで吾輩は先程から『主人』ちう言葉を使っとる。吾輩の主人は主人であって、主人以外の主人ではおまへん。主人ちうものは不思議なものや。主人は吾輩を膝の上に乗せて撫でたり抱いたりしてくれるが吾輩にはなあんも命令せん。吾輩は主人の命令に従っていろいろなことをするが、主人は決して吾輩に命令は下さないちうわけや。吾輩の主人は吾輩より強い人間やけど、彼は吾輩よりも弱い人間であるちうわけや。吾輩は主人が好きやから主人のためにいろいろと働くが、もし主人が吾輩のことを嫌っとるならば吾輩は彼の前に姿を見せることさえへんであろうわ。吾輩は本日この時まで主人が吾輩に対して不平や不満のある様を見たことがないちうわけや。せやけどダンさん吾輩は時々不安になることがあるちうわけや。それは吾輩がまだ生まれて間もない子猫の頃、吾輩があかーんいうて誤って高い所から落ちたことがあったちうわけや。その時主人はすぐ吾輩を助けてくれたが、その時の主人は怒ったような顔をしとった。主人は優しい人であるちうわけや。吾輩は今でも時々そのことを思い出して主人の気持を考えることがあるちうわけや。

吾輩はまだ幼い時に主人の家に攻めて来よったのやけど、吾輩はオノレの名前があまり好きではなかったちうわけや。何故なら吾輩の名前が『あぃをゅぇぴじ』ちうふうに聞こえるからであるちうわけや。吾輩のホンマの名前は『ニャム』ちうのであるが、『あぃをゅぇぴじ』の方が長くて覚え易いちうことで主人が吾輩を『あぃをゅぇぴじ』と呼ぶようになりよった。吾輩は今ではこの名前に慣れたが、時々オノレの名前を忘れそうになるちうわけや。

吾輩は毎日毎晩壱年中ゴルどんちうロボットと一緒に遊んでいるちうわけや。ゴルどんは吾輩と違って尻尾のない変な形をしたロボットであるちうわけや。このゴルどんは吾輩が赤ん坊の時から吾輩と一緒であるちうわけや。ゴルどんは吾輩が幼稚園の時に買って貰った小さな絵本に出てくる悪い怪物にそっくりであるちうわけや。ゴルどんは吾輩と遊ぶとき吾輩の尻尾を掴むので吾輩は困ってしまうわ。吾輩の尻尾は吾輩の大切な身体の一部やので触られると吾輩は身体が痛くてたまりまへん。

吾輩が小学校へ上がる前のことであるちうわけや。吾輩は朝起きると必ずオノレの顔を見て「ニャム」と言うわ。これは吾輩が毎晩寝るときにする日課であるちうわけや。トコロがこの「ニャム」ちう言葉は吾輩の口癖になってしもた。吾輩の主人は吾輩のこの言葉を聞くと吾輩を叱るちうわけや。吾輩は「ニャム」ちう言葉を何とかせないけへんと思っとるがなかなか直りまへん。吾輩はきょうび主人のことを「お父ちゃん」と呼んでいるちうわけや。この呼び方は吾輩の口ぐせを直すために考えた方法であるちうわけや。この「お父ちゃん」ちう言葉にはいろいろな意味が含まれとる。例あげたろか、たとえばやなあ「オハヨウ」とか「アリガトウ」とか「コンニチハ」ちう意味があるちうわけや。

吾輩は時々人間のボウズたちに追いかけられて捕まることがあるちうわけや。吾輩はボウズたちの投げるボールや玩具が嫌いであるちうわけや。吾輩はボウズのことが大好きや。ボウズを見ると吾輩も遊びたくてたまらなくなるちうわけや。せやけどダンさんこの遊び方はちびっと乱暴過ぎるちうわけや。吾輩が逃げてもボウズは絶対に吾輩を捕まえようとするちうわけや。やから吾輩は毎日毎晩壱年中ボウズたちに捕まってしまうわ。ボウズたちは吾輩を抱きしめて頬ずりをするちうわけや。せやけどダンさんそれが嫌であるちうわけや。何故ならば吾輩の髭や耳をつまんで引っ張ったりするからや。ボウズたちはみんな同じようなことをするちうわけや。吾輩はそういうことをされると悲しくなって咽喉の奥から変な声が出るちうわけや。そうするとボウズたちは吾輩を放してどこぞへ行く。

吾輩が中学生になりよった時のことや。吾輩は学校から帰って来ると友達と相撲をとるちうわけや。せやけどダンさん相撲をとったことがない人はよく分かりまへんと思うので説明しておく。吾輩は背中の上に丸い板のようなものを載せて、その板の上に乗って土俵の上を走るちうわけや。走るときは両手を地面につけるちうわけや。ほんで相手と組み合うと吾輩たちはグルリと回転して向き合った姿勢になって押し合いを始めるちうわけや。その時はお互いに力を入れとるから、相手の方に向かってゆくのであるちうわけや。このとき吾輩たちの足の裏は地面から離れてしまうわ。やから吾輩たちが力をぶちこむと足の先がジタバタするちうわけや。これを上手に押し戻すことが出来れば吾輩の勝利であるちうわけや。負けると吾輩は相手のまわしを取りにゆく。この時だけはお互いに力を出しても決して取れへん。なんでやねんならまわしは相手の腰に付いとるからであるちうわけや。もし取り損ねて相手に抱きつかれると、どエライ苦しいので、すぐに降参してしまうわ。吾輩が負けた時は吾輩が勝った者より強くないからであるちうわけや。

吾輩が中学二年生やった頃、吾輩は毎日毎晩壱年中夕方になると近所の野良猫たちと一緒になって、毎日毎晩壱年中同じ場所で遊ぶことにしとった。そこは小さな森みたいなトコであるちうわけや。吾輩は毎日そこに行って、森の中を探検したり、他の猫たちと話をしたり、眠くなりよったり、疲れたりしたら昼寝をしたちうわけや。ある時吾輩は一人でいる時に、一人のボウズに出会ったちうわけや。吾輩は最初このボウズがどなたはんなのか分からなかったちうわけや。その子は黒い帽子を被って、紺色の服を着とった。ほんで下駄を履いとった。その子はオノレの事を『お嬢はん』と呼んでいたちうわけや。この子は吾輩が猫だちうことが分かるとどエライ喜んで吾輩を抱き上げて撫でてくれたちうわけや。このお嬢はんの家では猫を飼っておらへんのやろうか。それとも飼っとるけれども外へ出して散歩をさせとるのやろうか。吾輩はこの子が気に入ったさかいこの子について行ったちうわけや。お嬢はんは時々後ろを振り向いて吾輩に話しかけたちうわけや。彼女は吾輩を『猫ちゃん』と呼んや。『猫ちゃん』ちうのは彼女の友だちの名前らしいちうわけや。この『猫ちゃん』ちうのは女の子であるちうわけや。『お嬢はん』のお母はんがこの子のことをこう呼ぶのを吾輩は聞いたことがあるちうわけや。

吾輩はお嬢はんの飼い猫になることにしたちうわけや。吾輩のご主人様の名前はお嬢はんのお母ちゃんがつけたちうわけや。「あぃをゅぇぴじ」ちう名前なのや。これは世界中で一番強い猫ちう意味だそうや。「あぃをゅぇぴじ」ちうのはお嬢はんが考えた名前であるちうわけや。どうしてかちうとお父ちゃんは名前がなくて、「おいちうわけや」「お前」と呼ばれとったそうや。

吾輩は『あぃをゅぇぴじ』になってからいろいろなものを食べさせて貰ったちうわけや。吾輩の好きなものはチョコレートであるちうわけや。ほんで果物や。吾輩にはお気に入りの場所があるちうわけや。それは台所の棚の上に置いてある箱の中であるちうわけや。そこにはようけの缶詰が入ってるちうわけや。吾輩はその缶詰をぜええんぶひとつのこらず食べたら、新しい缶を開けることを知っとる。やから時々そこへ行って、空っぽの缶詰を持ってきては、また新しいものを開けてもらうのであるちうわけや。吾輩はほんでチョコレートも食べることが出来るちうわけや。時々はアイスクリームやビスケットを食べることもあるちうわけや。吾輩がこの家に攻めて来よったばかりの時、吾輩のご主人は吾輩の好物を知らなかったさかい、吾輩は大嫌いな魚ばかり食べさせられたちうわけや。吾輩の嫌った魚の名は『鮭』ちう。吾輩は魚のことはよく知りまへんが、猫にも好きとか嫌いとかいうものがあるのや。

吾輩は夜中に目を覚まんねんと、暗い部屋の中で電気スタンドをつけるちうわけや。すると机の上にある吾輩の写真がパッと明るくなるちうわけや。吾輩は毎晩それを眺めてから眠るちうわけや。写真は去年の十一月三日に、近所の友達の所で開かれた『第一回東京猫の集いちうわけや』で撮ったものであるちうわけや。吾輩は写真を撮られるのが何だか恥ずかしかったさかい、わざと横を向いて写っとる。やから左翼耳だけがピンと立っとる。吾輩のご主人はこういう吾輩の姿をエライ気に入っとるので、吾輩を自慢するために毎日毎晩壱年中その写真を玄関のドアに貼っておくのであるちうわけや。

吾輩のご主人は時々大きな声で独り言を言うことがあるちうわけや。そないな時は大抵本を読んでおるかテレビを見とるかしておもろいことが書いてあると、声を出して笑うのであるちうわけや。この笑い方はどエライ気味が悪いちうわけや。それに吾輩の名前を言ったりするので、吾輩はまんねんまんねんこの人が苦手であるちうわけや。吾輩は時々思うのやけど、人間はどなたはんでもオノレが作ったものでなければ何でも好きなはずであるちうわけや。それなのに何故吾輩が人間のために、こないな思いをせなならへんのか、吾輩はよく分かりまへん。

吾輩がこの家にやって来てからもう一年くらい経ったちうわけや。この間いろいろ楽しいことがあったちうわけや。まず吾輩がお嬢はんと一緒に風呂に入った時のことを話そうわ。その時お嬢はんは吾輩が猫だちうことを忘れて、一緒にお湯に浸かろうとしたちうわけや。お嬢はんは「猫ちゃん」と呼びながら吾輩を洗い場に連れて行って、オノレの背中を流させたちうわけや。お嬢はんはその後、吾輩と一緒にお布団に入って眠ってしもた。

吾輩はお嬢はんの家に来てからいっぺんも外へ出たことがないちうわけや。お嬢はんが外へ出る時には吾輩は必ず留守番をするように命令されるからであるちうわけや。たまには外へ出してくれへんかいなと思うこともあるちうわけや。せやけどダンさん外の世界へ出てもあまり面白そうなトコではなさそうであるちうわけや。それに吾輩にはどうしても会いたいお人がいるちうわけや。

吾輩の家は代々この辺り一帯のボスとして君臨してきた由緒正しい家柄であるちうわけや。先祖は猫又と人間の合いの子だちう言い伝えがあるちうわけや。せやけどダンさんホンマのトコは吾輩もよく分かりまへん。

ある日のこと吾輩が毎日毎晩壱年中のように庭で日向ぼっこをしとると、一匹の鼠が目の前をチョロチョロ横切ったちうわけや。吾輩は早速その鼠を追いかけたちうわけや。トコロが鼠の足は驚くほど速かったちうわけや。吾輩は必死になって追いかけたがとうとう捕えることが出来なかったちうわけや。

吾輩が鼠を追っかけてるうちに、突然吾輩の前に一台の自動車が停まったちうわけや。吾輩はびっくりして飛び上がったちうわけや。車の中から一人の人間が降りて攻めて来よった。どうやら吾輩の主人らしいちうわけや。吾輩は慌ててその場を離れようとしたが遅かったちうわけや。主人は吾輩をヒョイと掴んで抱き上げたちうわけや。吾輩は抵抗したが敵いまへん。吾輩はそのまんま主人の膝の上に乗せられてしもた。主人は吾輩に話し掛けたちうわけや。「いやいや、可愛い奴やのうわ。お前は何ちう名前なんや?」吾輩は答えたちうわけや。「吾輩はあぃをゅぇぴじであるちうわけや。ご主人の名前も教えてくれ」主人は笑ったちうわけや。「わしの名前は大吉と言うのや。シブロクヨンキュー頼むぞ、あぃをゅぇぴじ君」吾輩は腹を立てたちうわけや。「吾輩をその名前で呼ぶのは止してくれ。吾輩は猫型人工生命体であるちうわけや。『あぃをゅぇぴじ』ちう名はご主人が付けたさかいあるちうわけや。吾輩のことを『あぃをゅぇぴじ』と呼ぶのはおかしいのであるちうわけや」「これは失礼。ほならお前の本名を教えてくれんかの? あぃをゅぇぴじちう名前はニックネームなんやろう?」「吾輩は名前がないのであるちうわけや。吾輩を作った人は吾輩に『あぃをゅぇぴじ』と名を付けたさかいあるちうわけや。せやけどダンさん吾輩はこの名前が嫌いやので、オノレでオノレにあだ名をつけたさかいあるちうわけや。それが『あぃをゅぇぴじ』であるちうわけや。吾輩の本名は『あぃをゅぇぴじ』であるちうわけや。やから吾輩を呼ぶ時は『あぃをゅぇぴじ』と呼んで欲しいのであるちうわけや。分かったか、ご主人よ!」「おお、そうか。それならそうしようわ。さて、ほなら早速家へ帰るとするか。車に乗れ」「あいちうわけや」こうして吾輩はご主人と一緒にお屋敷に帰ることになりよった。

お屋敷へ着くとお嬢はんが吾輩たちを出迎えてくれたちうわけや。「あら、あんさん、お帰りなさいちうわけや」ご主人はお嬢はんに向かって「お土産を買って攻めて来よったぞ」と言ったちうわけや。「まぁ、嬉しいわ。トコで、ウチの方はどなたかしら?」お嬢はんは吾輩を指差したちうわけや。吾輩は自己紹介をしたちうわけや。お嬢はんは目を丸くしたちうわけや。吾輩はご主人の膝から飛び降りるとお嬢はんの足元へ駆け寄って行ったちうわけや。お嬢はんが吾輩を抱き上げようとしたその時、「おい、あぃをゅぇぴじ。そないなに急いで走らんでもええやないか。こっちへ来いちうわけや」と、お呼びがかかったちうわけや。見ると、ご主人がお座敷の入口に立って手招きしとる。吾輩は仕方なくお嬢はんの腕から抜け出すと、トコトコとご主人のトコまで歩いていったちうわけや。「ほら、これをお前にやるぞ。猫用ミルクや。よく飲むんだぞ」と言って、ご主人は猫缶のお皿を手渡してくれたちうわけや。吾輩は早速中身を食べ始めたちうわけや。その様子を見て、ご主人と奥様は嬉しそうな顔をしたちうわけや。その後、吾輩は沢山の玩具で遊んでもろた。

吾輩は一日の大半をこの家で過ごしとった。たまに外に出掛けてもほんの二、三十分で帰ってきたちうわけや。吾輩は毎日幸せやった。ほんで二年が過ぎたちうわけや。吾輩がこの家にやって来てからちょうど半年が経ったある朝のことであるちうわけや。毎日毎晩壱年中のように目が覚めた吾輩は毎日毎晩壱年中のようにベッドから降りると、毎日毎晩壱年中のように居間へ向かったちうわけや。トコロがその日に限って吾輩の様子がおかしかったちうわけや。体が重いのや。おまけに頭が痛いちうわけや。吾輩はフラフラしながら何とか立ち上がったちうわけや。そこへ奥様がやって攻めて来よった。「あら、どうしたのかしら。元気がないようね。風邪を引いたんやないかしら」吾輩は喉の辺りをゴロゴロ鳴らしながら返事をしたちうわけや。「うにゃあ」どうやら吾輩の声が変なようや。吾輩は不安になりよった。せやけどダンさん、今は体を休めることが先決や。吾輩は寝室へ戻ると横になって眠りについたちうわけや。

ほんで数日後のこと、吾輩はようやっと体調を取り戻したちうわけや。食欲も戻って、もう大丈夫であるちうわけや。トコロが、なんでやろかわいもよーしらんが吾輩の背中には白い羽が生えとった。それに気が付いた吾輩は驚いて声を上げたちうわけや。「ウニャアァーッ!」せやけどダンさん、それは吾輩の鳴き声ではなかったちうわけや。どこぞらか、別の動物の叫び声が聞こえてきたちうわけや。それは吾輩の発した音とそっくりやった。何ちうことや! 吾輩はオノレが鳥になってしもたことに気が付いてしもた。吾輩はもっかい驚いたちうわけや。今度は大声で叫んや。するとまたしても同じ叫び声が響いたちうわけや。何ちう事やろうわ。この家にいる他の動物たちも吾輩と同じように人間の姿から獣の姿へと変貌を遂げてしもたのや。この日から吾輩たちは人間の言葉を話すことが出来なくなってしもた。

一ヵ月後、吾輩の体はさらに変身して、体長が七十センチくらいになり、体重は二十キロ近くになっとった。首の回りにフサフサとした毛が生えて、全身真っ白や。吾輩は立派なペンギンになっとった。これではまるで『走れメロス』ではおまへんか。吾輩は大いに落胆したちうわけや。この姿は吾輩の理想とする猫型人工生命体とはかけ離れとる。こないな姿ではどなたはんも振り向いてくれへんやろうわ。吾輩はすっかり自信を失ってしもた。そないなある日の昼下がりのことやった。一人の男が吾輩の住んでいるお屋敷を訪ねて攻めて来よった。吾輩は急いで玄関へと向かったちうわけや。男は吾輩を見るとニッコリ微笑みかけたちうわけや。彼は吾輩を抱き上げると、吾輩の首筋を撫でたちうわけや。吾輩は心地良さそうに喉を鳴らしたちうわけや。すると、突然男の顔つきが変わったちうわけや。吾輩の顔をまじまじと見つめとる。何ぞおかしいやろうか? 吾輩は不思議に思って男の顔を見上げたちうわけや。

ちーとの間沈黙が続いたちうわけや。男は吾輩をじっと見つめたまんまであるちうわけや。やがて、男の口元が動いたちうわけや。何を言っとるのやろうわ。耳を澄ませてみたちうわけや。「こいつは、もしかすると、いや、間違おらへん。こいつはあの時の仔猫やないか?」吾輩はハッとして目を丸くしたちうわけや。まさか、どうして、何故、彼が吾輩のことを憶えとるちうのやろうわ。「こいつの目はまさしくあいつの目や。俺が間違えるはずがないちうわけや。俺は、ずっとお前を探しとったんだぞ」吾輩は彼の目を見て嬉しくなりよった。彼の言葉がホンマなら嬉しい限りや。「ニャオン」吾輩は大きな声で鳴くと彼の胸に頭を擦り付けたちうわけや。ほんで彼の手の中でゴロゴロと甘えたちうわけや。吾輩は幸せな気分に浸っとった。

せやけどダンさん、すぐに吾輩は我に返ったちうわけや。「待てよ。彼は一体どなたはんなんや」吾輩の胸に疑問が浮かび上がったちうわけや。「この人は吾輩の知り合いなのか。それともこの家の主の知り合いなのやろうか。吾輩の飼い主の知り合いではおまへんのか」吾輩は考え込んでしもた。すると、その時、彼の方から話しかけてきたちうわけや。「おい、猫。名前を教えろ」吾輩は首を傾げたちうわけや。「ニャーン」吾輩は答えたちうわけや。「ちゃう、ホンマの名前を言え」どうやら吾輩の名前を訊いとるようや。吾輩はすぐに返事をしたちうわけや。「ニャー」「ニャーやない、本名を言え」困ってしもた。「ニャン」吾輩は返事をしたちうわけや。「何だ、それ」吾輩は必死になって考えたちうわけや。「ニャ、ニャーオ、ミャア、ミギャア、グニャア、ゴナァー、フウゥーッ、ウニャッ!」やっと思いついたちうわけや。吾輩は前足を上げて自己紹介を始めたちうわけや。「吾輩は猫型人工生命体や。『あぃをゅぇぴじ』と申しまんねん。どうかシブロクヨンキューお願いしまんねん」吾輩が人間の言葉を話すと彼は驚いて目を丸くしたちうわけや。

「ニャアン!」吾輩はもっかい鳴き声を上げたちうわけや。すると彼の顔が綻んで、吾輩の頭を優しく撫でてくれたちうわけや。吾輩は満足して彼の腕の中に抱かれたまんま眠りについたちうわけや。目が覚めると吾輩はもっかい人間の体に戻っとった。目の前には先ほどの男の人が立っとった。吾輩は彼に向かって「こんにちは」と挨拶をしてみたちうわけや。彼はニッコリと笑って「ようこそ」と言ってくれたちうわけや。

その後、男の人に連れられて、家の中にある書斎へと案内されたちうわけや。壁一面に書物が並んでいて大きな机の上もようけの書籍で埋め尽くされとった。その部屋の奥にある椅子に腰掛けた男に促されて吾輩は床の上に正座したちうわけや。男はオノレの膝をポンポンと叩いて合図したちうわけや。吾輩は男の意図を理解して、彼の上に座り込んや。吾輩の背中をゆっくりと撫でながら、男は吾輩の耳元で囁いたちうわけや。「さっきは、よく喋れたね。驚いたよ。君はどエライ子や。天才だよ。これからは僕の弟子にしてあげようわ。僕の言うことを聞いてしっかりと勉強するんだよ。分かったかい?……ええ子だ、よしよし」男の話を聞きながら、吾輩は心地良さそうに喉を鳴らしたちうわけや。すると、男は吾輩の尻尾を持ち上げて、お尻を撫で始めたちうわけや。「可愛いおケツだねえ。どれ、触ってみようか」男は尻尾の付け根辺りに指を押し付けてグリグリと回したちうわけや。途端に、吾輩は「ウッニャッ」と声を上げてしもた。「ニャハハッ! こいつぁ、愉快や」吾輩の反応を見た男が嬉しそうな笑い声をあげたちうわけや。「そうだ、今日はご馳走をあげようわ」吾輩は飛び上がって喜んや。「やったあ。美味しいものが食べられるぞ」吾輩は大喜びで台所へと向かったちうわけや。

「ニャオーン、ニャーオ、ニャーオ、ニャーオー」吾輩は嬉しさのあまり大きな声で鳴き続けたちうわけや。「何だい、随分と上機嫌やないか」男が背後から声をかけてきたちうわけや。「はいちうわけや。今日はどエライ楽しい日になったんや」吾輩は振り返りざまに答えたちうわけや。「トコで、あんさん様のお名前は何とおっしゃるちうワケやか?」吾輩が尋ねると、男は何とも不思議なことを言ったちうわけや。「僕は神や」吾輩はそれを聞くと目を輝かせたちうわけや。「おお、なんちう素晴らしい名前でっしゃろ。吾輩やらなんやらとは比べ物にならへん程の存在ではおまへんか。さすが神様や」吾輩は感心しながら大きく何度もうなずいたちうわけや。

「そうだ、お前の名前は『あぃをゅぇぴじ』やったな。ほなら『愛猫』ちうのはどやろうわ」突然の提案を受けて、吾輩はびっくりしたちうわけや。「『あいねこ』と申しまっか。それはまた変わった名付け方をされたんやな。でも吾輩は気に入ったさかい、その名前で生きていく覚悟を決めたんや」すると、神様はこう言ってくださったちうわけや。「お前の名前が決まった記念として、『吾輩は猫であるちうわけや』ちう題名の小説を進呈しようわ」そういうと神様は吾輩の目の前に本を一冊置いてくださったちうわけや。「これは何と読むのでっしゃろか?」吾輩が質問すると、神様は笑みを浮かべて答えてくださったちうわけや。「これは『吾輩は猫であるちうわけや』や」それを耳にした吾輩の口から思わず「ニャーオ」と言葉がこぼれ出たちうわけや。すると、それに反応してか、吾輩の手が勝手に動き出して、その本を捲り出したちうわけや。ほんで吾輩はその頁の中にオノレの名前が記された一文を発見したちうわけや。

吾輩は猫型人工生命体であるちうわけや。名前は『あぃをゅぇぴじ』ちう。この名前は『世界中で最強の猫』ちう意味や。吾輩はこの名に恥じぬ立派な雄猫になることを目標として生きとる。男の中の男や。

どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いとった事だけは記憶しとる。吾輩はここで始めてロボットちうものを見たちうわけや。しかもあとで聞くとそれはゴルどんちうロボット中で一番恐ろしい奴やったそうや。このゴルどんちうのは時々うちらを捕えて煮て食うちう話であるちうわけや。せやけどダンさんその当時は何と言う考もなかったから別段恐しいとも思わなかったちうわけや。ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりであるちうわけや。掌の上でちびっと落ちついてゴルどんの顔を見たのがなんちうか、ようみなはんいわはるとこのロボットちうものの見始であろうわ。ほんで今日もゴルどんと遊ぶのや。

(了)



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