【人工生命体242

吾輩は猫型人工生命体である。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めてロボットというものを見た。しかもあとで聞くとそれはゴルどんというロボット中で一番怖ろしい奴であったそうだ。今でもその時の事を思い出すと胸がワクワクしてくる。しかし、一体全体どうしてそんなに胸がワクワクするか皆目分らぬ。人間は不思議である。ああ、考えれば考えるほど不思議なものだ。人間というやつは……

(了)



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