【桃太郎32

昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんがありました。毎日、お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。

ある日、お婆さんがいつものように洗濯をしていると、川上の方から大きな桃が流れてきました。その桃を拾って、家に帰ると早速切ってみると中から赤ん坊が出てきました。夫婦は喜び、その赤ん坊に桃太郎と名付け大切に育てました。成長した桃太郎は鬼ヶ島へ行きたいと言い出したのです。しかし、二人は困り果ててしまいました。鬼ヶ島へ行くには海を渡る必要があります。しかし、海の真ん中には悪い海賊がいるのです。それでも、二人の決心は変わりませんでした。そこで二人は相談し、一つの方法を考えつきました。それは、犬、猿、雉の三匹を使って海賊達を倒すという方法です。さっそく三人で話し合いました。すると、一番勇敢な犬が一番強く賢い猿が一番賢く力持ちな雉が一番足が速いということがわかりました。犬は鬼ヶ島まで先導するために先に出発しました。次に猿、最後に雉が続きました。猿が海賊達に見つかり、大乱闘になりました。海賊達は猿を追い回します。しかし、雉が到着したことで戦況が逆転し猿と雉の活躍で海賊達が全滅してしまいました。

悪い海賊

こうして、無事に鬼ヶ島に到着した一行は、早速鬼ヶ城へ向かいました。門番を倒し城に入るとすぐに、お姫様に会いました。「私はこの国の姫です。あなた方のことはよく知っています。今から、あなた方を殺すつもりでしたが、考えを改めました。私の夫になってください」と言いました。もちろん、二人とも断りました。それを聞くと、お姫様は刀を抜き、斬りかかってきました。

激しい戦いの末、とうとう、お爺さんとお婆さんが殺されそうになってしまいました。桃太郎が間に割って入り、代わりに切られることになりました。そして、桃太郎が切られた瞬間、突然、雷鳴が轟き、雷が落ちてきました。その威力は凄まじく、お爺さんとお婆さんと桃太郎の体を貫いて城の天井を破壊してしまいました。さらに、雷の衝撃によって鬼ヶ島中の地面が崩れて海へと落ちていきました。

こうして、桃太郎たちは命を失いました。

(終)



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