【桃太郎6

昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんがありました。毎日、お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。

ある日、お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がどんぶらこっこっらこと流れてきました。お婆さんは驚いて桃を家に持って帰りました。お爺さんとお婆さんはその桃を割りました。すると中からとても可愛い男の子が出てきました。お爺さんとお婆さんはこの男の子を桃太郎と名付け、大切に育てることにしました。

桃太郎はとても優しい子供でした。そのためか、たくさんの人に愛されました。しかし、桃太郎はただの人間ではありませんでした。彼はなんと、生まれながらにして超能力者だったのです。お爺さんとお婆さんは桃太郎の能力について驚きながらも、彼のことを優しく見守っていました。そんな日々の中で、鬼ヶ島という悪い奴らが支配している島があることを知りました。お爺さんとお婆さんは困っている人を助けたいという気持ちが強かったため、桃太郎と共に鬼ヶ島へ行くことを決意します。

そして旅立ちの日が訪れました。桃太郎はお爺さんとお婆さんの見送りを受け、いざ出発しようと思いました。その時です。空の彼方から一羽の大きな鳥が飛んできて、桃太郎の元へやってきました。その鳥は「私の名前は犬。あなたの家来になるために参りました」と言いました。犬は言いました。私はかつて鬼ヶ島で飼われていた犬だ、と。桃太郎は犬に尋ねました。鬼ヶ島にはどうして行かないのか? すると犬は答えました。私は鬼ヶ島にいた頃、鬼ヶ島の悪口を言ったために仲間外れにされたのだ、と。桃太郎はそれを聞いて犬を家来として連れて行くことを決めました。

その後、雉が現れました。雉も鬼ヶ島で飼われたことがあるらしいのですが、どうやら飼い主のことが嫌いになったようで、「俺をお前の家来にしてくれないかな?」と言ってきました。桃太郎はそれを快く受け入れました。こうして、犬、猿、雉が桃太郎の家来になりました。こうして一行は鬼ヶ島へ向かいます。途中で犬のお腹が空いたので、彼らはきびだんごを食べました。桃太郎はきびだんごを食べると強くなった気がしました。

桃太郎一行が鬼ヶ島に着くと、そこにいたのは鬼たちばかりでした。鬼たちは「よく来たな! 俺は鬼頭だ!」と名乗りを上げました。続いて他の鬼たちも名乗っていきます。桃太郎はきびだんごを使って戦おうと思いましたが、犬、猿、雉がきびだんごを食べた途端に弱ってしまったため、結局戦うことはできませんでした。仕方なく桃太郎は、お爺さんお婆さんに貰った武器である刀を使い、なんとか鬼たちを退治しました。すると、鬼たちが隠し持っていた財宝を発見しました。その量は膨大でした。桃太郎はその金銀財宝を村に持ち帰りました。すると村人たちは、それを自分のものにしようと考えました。お爺さんとお婆さんはもちろん、村人全員に宝を渡すべきだと主張しました。しかし、村人はこう反論しました。自分たちのものであるならば自分たちだけで管理すべきだ、それに鬼ヶ島に奪われたものを回収する必要がある、と。そこで、村長は桃太郎に鬼ヶ島へ取り返しに行くように命じました。桃太郎は仲間たちを連れて鬼ヶ島に向かいました。

道中では、お腹をすかせた猿を犬が助けました。猿はそのお礼に犬ときびだんごを交換し、猿は元気いっぱいで進み続けました。雉が桃太郎の頭を止まり木にし始めました。犬は桃太郎の後ろを尻尾を振りながらついて行きました。猿は相変わらず、きびだんごが欲しいと騒ぎ立てていました。雉は桃太郎の頭の上から飛び立ち、猿を追いかけ回して遊んでいました。しかし、猿はあまりにも騒ぐため、犬と雉に食べられてしまいました。桃太郎は少し心を痛めながらも鬼ヶ島に向かって進んでいきました。

やがて鬼ヶ島に着いた桃太郎は、鬼たちに捕まっている人々を助け出しました。すると鬼たちがお礼を言いながら、金銀財宝を渡してきました。桃太郎はその財宝を全て持って帰りました。桃太郎の持ち帰った財宝を見て、人々は歓声をあげました。その日以来、その村は桃太郎のおかげで豊かになったという言い伝えがあるそうです。

(終)



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