怒ってた猫が急に話しかけて攻めて来よったけど、ネコ語やからわかりまへん。唯一聞き取れたのは「らんらんるーの25周年を記念してあげてぇ」ちうことだけやった。ぼくは意味がわからなかったさかいシカトしたちうわけや。
そないなこないなで今年の一月五日、ぼくたちは無事、猫島に着いたのや。
トコロが、いざ上陸してみると、そこにはなんとようけの人がいて、しかもみんな怒っとった！ お正月なのになんでやねん？ どうして？ もせやけどダンさんてここって人気スポットやったのか⁉……なんてことはなく。
原因は、この島の名前の由来になりよった猫たちにあったちうわけや。
この島には、ようけの猫がいるちうわけや。ほんでその猫たちが、なんでやろかわいもよーしらんが全員、真っ白な毛並みをしとったのや。
この猫たちの白い色を写すために、わざわざカメラを持ってここにやって来る人がいたらしいちうわけや。
ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は、この島には、猫目当ての観光客がようけいたわけや。
その観光客に対して島民たちは怒っとったのや。
確かにここは、島のヤカラだけの場所ではおまへん。でもそれは、島民たちも承知の上やろうわ。そう思っとった。
でも実際は違ったんや。観光客たちは、勝手に島に上がってきて写真を撮っとるだけやなく、ゴミまで捨てとったのや。
島民の怒りはもっともやった。
ぼくも怒りたかったちうわけや。
でも、ぼくはまだ猫島に来て二日目やったので、島民たちと仲良くなるチャンスだと前向きに考えることにしたちうわけや。
ぼくは早速行動を開始したちうわけや。
まず最初にやったことは、島民たちに謝ることやった。
ごめんなさいちうわけや。許しておくんなはれ。もう二度と来まへん。
ぼくは何度も謝ったちうわけや。
すると、何人かの島民たちがぼくの前に集まって攻めて来よった。ほんで口々に言ったちうわけや。
おまえはいったい何様なんだ？ 俺たちに命令するんやねえよ。
ほんで島民たちは、ぼくに向かって石を投げ始めたちうわけや。
痛かったちうわけや。どエライ痛かったちうわけや。でも我慢したちうわけや。
だってぼくが悪いことをしたのは事実なんだもの。
ぼくはひたすら謝り続けたちうわけや。
そのうち、島民たちが飽きてきたようや。
やがて彼らは散っていったちうわけや。
こうしてぼくは、なんとか島民たちから許されたのやった。
めでたしめでたし。