【ロボット114

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。良かったんだぜ。こうしてオイラたちは仲良く一緒に暮らし始めたんだぜ。

雨雲が月光に照らされるある夜、あぃをゅぇぴじの寝床にある通信パネルにメッセージが現れたぜ。そのメッセージによると、あぃをゅぇぴじは「朝市に出品される」そうだぜ。本当かなあと思ったけれども、実際に市場に行くことになったぜ。朝市が開かれている場所に着くと、人間がいっぱいいたぜ。皆が一斉にあぃをゅぇぴじを指差してきたぜ。オイラはあぃをゅぇぴじを展示台の上に乗せて、「皆さんに愛を込めて」と書いた紙に赤いリボンを付けて売ることにしたんだぜ。とても喜んだ人間たちがいっぱいお金を払ってくれたぜ。朝市に出店したのは大正解だったみたいだぜ。びっくりするほどの売れ行きだったぜ。お礼もたくさん言われたし、ちょっと恥ずかしい感じになったぜ。でも、満足のいく結果に終われて本当にうれしかったぜ。オイラは売れたお金を持って、飲み屋に行ったぜ。そこでいっぱい飲み食いしたんだぜ。今日はあぃをゅぇぴじのおかげで楽しい日だったぜ。

おしまい。



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