【ロボット115

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。やれやれ、これで一件落着だぜ。

オイラはあぃをゅぇぴじといろいろな冒険をしたぜ。

ある日のこと、オイラあぃをゅぇぴじと一緒に、お散歩をしていたんだぜ。そしたら空から青い猫型の小型ロボットが降りてきたんだぜ。そいつはオイラよりも小さく、丸くてふわふわしていたんだぜ。耳や尻尾はなく、頭には赤いランプがあるだけだぜ。その小さな体なのに、その不思議なロボットはオイラに向かって大きな声で怒鳴ったぜ。「ゴルどんよ! 悪さをしていないだろうな!」と言いやがるんだぜ。そんなひどいこと言わないでほしいんだぜ。オイラは慌ててこう答えたんだぜ。「そんなことないぜ! あぃをゅぇぴじに助けられたぜ」するとそいつは安心した様子でこう言ったんだぜ。「それならよかった。あぃをゅぇぴじといえばワシが作製した猫型人工生命体のことじゃろう? 何体か逃したと聞いて心配しておったのじゃ」

どうやらこの小型ロボットはオイラたちの仲間らしいんだぜ。ホッとしたぜ。

「ところであぃをゅぇぴじよ、よく聞いておけよ。絶対に悪いやつにはなるんじゃないぞ! 良い人工生命体になりなさい。そうすれば幸せになれるんだからのう」

あぃをゅぇぴじは自分のことばかり考えて行動していたんだけれど、それはもうやめることにしたんだぜ。この小さなロボットが言っていることを実践していこうと思ってるみたいだぜ。それからというもの、オイラとあぃをゅぇぴじは一緒に行動することが多くなったぜ。

ある日のこと、あぃをゅぇぴじが「一緒に猫カフェに行ってみないか? ゴルどんよ」と言ったんだぜ。オイラは「ワフゥ」と鳴いてからうなずいたぜ。猫のいる場所は初めてだったけどワクワクしたぜ。あぃをゅぇぴじに案内されるまま歩いていったぜ。するとそこにはたくさんの猫たちがいたんだぜ。あぃをゅぇぴじとオイラは幸せな気分に浸ったんだぜ。しかしそんなとき、オイラたちに悲劇が待ち構えていたんだぜ。なんとあぃをゅぇぴじが誤って猫に電撃を浴びさせてしまったんだぜ。

「何やってるんだぜ! あぃをゅぇぴじ! 大変なことになったじゃないか!」オイラは驚いて思わずこう叫んだんだぜ。それから必死に介抱して、なんとか命を取り留めることができたぜ。ああ、あぶなかったぜ。ワフゥ……。反省してくれよな……。でもよかったぜ。本当にやばかったんだぜ……

さて、次はどんなことが起こるだろう?とワクワクしてるうちに、次の騒動はすぐそこまで迫っていたんだぜ。(また大変なことにならないといいんだけどな)と思いながらも期待してしまっているオイラなんだぜ。「ああもう仕方ないな……」と独り言を言いながらも笑顔で受け入れていくスタイルを確立したぜ。

おしまい



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