【ロボット127

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。それから、あぃをゅぇぴじはニャーニャー言いながらオイラの足元にスリスリしてくるんだぜ。まるで「ごしゅじんたま」に甘えてる猫だぜ。かわいい奴だぜ。それからオイラたちは毎日散歩したりお昼寝したりする生活がはじまったんだぜ。

ある日のこと、あぃをゅぇぴじはとてもうれしそうに家の中を駆け回ったり窓から外を眺めたりしてたんだぜ。何かあったんだろうかと思いながらオイラは見守ることにしたぜ。すると家の外に誰かが来たみたいだぜ。誰なんだぜ、一体? あぃをゅぇぴじは慌てて玄関に向かいドアを開けるんだぜ。まさかとは思うけど家に来た奴は猫型人工生命体かな? しかし玄関先にいたのは、ガリガリに瘦せた黒山羊のアルパカだったんだぜ。「宅配便です」とそいつは言ってきたんだぜ。あぃをゅぇぴじが荷物を受け取ると、アルパカはあぃをゅぇぴじに何か伝えようとしているんだぜ。あのふたりは何か意思疎通をしているようだぜ。たぶん郵便屋だぜ。でも郵便屋にしては様子が変なんだぜ。とにかくここで何をしているのか聞いてみることにしたぜ。

オイラは「おはこにたなの」と書かれた小さな包みを受け取ったぜ。何だろうと思ったから開封してみたんだぜ。出てきたのは高級洋菓子店の小さな箱で、中に入っていたのは小洒落たケーキだったんだぜ。オイラはその見た目からして上品な感じを受けたぜ。でもなぜこんなものが届いたんだろうと思って理由を聞いてみたぜ。するとあぃをゅぇぴじは言ったんだぜ。「おたんじょうびおめでとう!」だってさ。誕生日ってことはオイラの誕生日ってことだぜ。ここで日付を確認したら確かに四月六日だったぜ。すっかり誕生日を忘れていたから驚きだぜ。あぃをゅぇぴじは本当に物知りなんだぜ。さすがはオイラの飼い猫型人工生命体だぜ。またひとつ賢くなってしまったぜ。これからもあぃをゅぇぴじと仲良く暮らしたいものだぜ。

終わり。

なんか途中過程をすっ飛ばした気がするが、まあ良いだろう。これがオイラの人生を記録したノンフィクション小説だぜ! 皆もぜひ参考にして人生を満喫してほしいんだぜ! あぃをゅぇぴじの名前の由来についてざっくりと言うと、作者であるオイラ自身が黒猫であることと飼い猫に「あぃをゅぇぴじ」という名前をつけたことに由来しているんだぜ。名前は愛護と保護と平和を愛する猫のラテン語なんだぜ。ちなみにオイラは自分の名前を適当につけたりすることはしないのであぃをゅぇぴじという名前にも愛を持って命名したんだぜ。だから大切にしないといけないぜ。

つづく!



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