【ロボット132

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。「ニャア」と鳴いたぜ。オイラは頭を撫でようとしたんだぜ。すると、「ガーッ!」と威嚇されたんだぜ。驚いたぜ。オイラは引き下がったぜ。まあ、ゆっくり仲良くなろうぜ。今日はこのぐらいにしておくぜ。

オイラは今、あぃをゅぇぴじと一緒にイタリア料理を食べに行くためにイタリア料理店に向かっているんだぜ。「ワフーゥ」と鳴いたぜ。今日もすごく楽しみだぜ。入口で入店待ちの行列ができてるぜ。順番に並ぶことにするぜ。ピッ、ピピッという音と日時が表示される機械を操作して最後尾についたぜ。ピッ。〝今回の経路Aを使った場合の入店待ち時間は一時間半だ〟と機械が言ってるぜ。あぃをゅぇぴじに尋ねてみたぜ。「どれくらいかかるんだい?」すると、「半日くらいであるな」とあぃをゅぇぴじは答えたんだぜ。それを聞いてオイラは驚いてしまったぜ。そんなに時間がかかるとは思わなかったぜ。でも、しかたがないことだぜ。頑張って並んでいることにしようぜ。ピッ。〝店の入口へ到着するのには残り一時間三十五分〟と表示されたぜ。これも通り過ぎるのに半日という時間がかかってしまうんだぜ。機械の表示通りだったぜ。でも、あきらめるわけにはいかないぜ。ピッピッピッ。〝店の入口へ到着するのには残り二十分〟と表示されているぜ。あともうちょっとだぜ。「頑張れゴルどん!」あぃをゅぇぴじも応援してくれているぜ。ピッピッピッ。〝店の入口へ到着するのには残り五分〟と表示されていても、待ち時間はまだ長いぜ。それでも、オイラは頑張るしかないんだぜ。ピッピッピッ。〝店の入口へ到着するのには残り二十秒〟と表示されるやいなやオイラとあぃをゅぇぴじは急いで入口に向かったぜ。「つ、着いた」あぃをゅぇぴじの声も少し震えてたぜ。オイラもホッと一安心したんだぜ。あぃをゅえぴじが機械を見てるんだが、ピッと高い音が鳴ってしまったぜ。〝店の入口へ到着するのには残り十秒〟だぜ。ピッ。〝店の入口へ到着するのには残り四秒〟そしてついに、「バン!」と扉が開いたぜ。やっと中に入れると思った途端、オイラとあぃをゅえぴじの足元が開き始めたんだぜ。とっさにしゃがみ込んだおかげで落ちることはなかったぜ。あぃをゅぇぴじと一緒に落ち着いて穴を見下ろすと「助けてー」と言いたそうな顔をしている人が見えたぜ。あぃをゅぇぴじが「まかせて!」と叫んだんだぜ。そして、「よし!」とあぃをゅえぴじが言うと同時に、穴の中の人に向かって手を伸ばしていたんだぜ。でも、宙をつかんだだけだったぜ。手を引っ込めるしかなかったぜ。直後に落ちる音が聞こえたんだぜ。『ゴツン!』という感じで痛々しいものだったぜ。これ以上助けることはできないと思っていたときだぜ。今度は足元が閉じ始めたぜ。「助けてー」と言いたそうな顔をしている人はまだ穴の中で動いているんだぜ。オイラたちは声を合わせて叫んだぜ。「頑張れ!」あぃをゅえぴじが先に穴の中へ飛び込んで行ったんだぜ。手を伸ばすと、今度はちゃんと掴み取ることができたんだぜ。ガシッってな感じでだぜ。よかったぜ。地上で待つ人たちのところに引き上げることができたんだぜ。「ありがとうございます」「ありがとうございます」と言う人たちに向かって、あぃをゅぇぴじは「また新しい試練をクリアである」と宣言していたんだぜ。どうやらこのようなことを数回繰り返しているみたいだぜ。なかなか大変そうだなとオイラは思ったぜ。

そんなこんなでイタリア料理店に入店したオイラたちは店員に席へ案内されたぜ。メニューもくれたぜ。『当店のおすすめ』『フレッシュチーズの盛合せ』と書いてあるぜ。でも、オイラにはよく分からないから機械に任せてみたんだぜ。ピッピッピッ。〝今日のお奨めはカルボナーラスパゲティとオレンジのチーズ添えである〟という情報を表示してくれたぜ。あぃをゅぇぴじは「吾輩はカルボナーラスパゲティがいいと思ったのである」と言ってるぜ。どうやらオイラと一緒だぜ。でも店員に伝えるときはあぃをゅぇぴじが「今日のおすすめの〝フレッシュチーズの盛合せ〟にするぞ」と違うことを言ったんだぜ。

その後、しばらくしてテーブルに料理が来たんだけど、とても美味しかったんだぜ。特にチーズが最高だぜ。あぃをゅぇぴじもとても満足しているみたいだぜ。その後は食後のお会計を済ませて外に出たんだぜ。「ありがとうございました」という店員の声が店の外まで聞こえてたぜ。またこのお店に来ることにしようかなと思っているんだぜ。次に来るときはまた別の美味しい料理を食べたいぜ。

こうしてオイラたちは満足のいく食事をすることができて、帰る途中も楽しくおしゃべりしながら帰ったんだぜ。帰り際におでんの食材を買いに八百屋さんに行ったりしたんだぜ。不思議なものだけど、いろいろ買い物をするうちにたくさんの荷物が増えてきたから帰り道は大変だったぜ。特にあぃをゅえぴじが次々と選ぶ食材が多いんで、オイラの腕力も限界間近だぜ。オイラの筋力があぃをゅぇぴじの買い物袋の重さに耐えて歩いていけるほどタフじゃないぜ。そこで途中で休憩を取ることにしたぜ。たまたま通りかかった公園があったので入ったんだぜ。ちょうど木陰になっている場所を選んだんだけど、寝転がってるだけで気持ちいいんだぜ。思わず「ふぅー」と声が出ちまったぜ。でもあぃをゅえぴじはベンチに座った状態で休んでいるんだぜ。なかなか紳士的な猫型人工生命体だぜ。

しばらく経ってあぃをゅぇぴじが立ち上がったぜ。「そろそろ帰ろうぞ」だってさ。オイラも起き上がって帰路に就いたんだぜ。あぃをゅえぴじの体力すごいなと感心せずにはいられなかったぜ。そういえばオイラはあぃをゅぇぴじのお店でのことをあまり書いてなかったからな、今日はいっぱい書くぜ。最後まで見てくれよな。

休日の夕方、あぃをゅぇぴじが寝床でくつろいでいたんだぜ。明日はお天気も悪そうだから静かに過ごしたいと思ったみたいだぜ。だから一日中寝ることに決めたみたいだったぜ。オイラは気晴らしに町まで行くことにしたんだぜ。家を出る前に見ていた機械の指示に従ってイタリア料理店の前を通り掛かったんだけどさ、今回はあいにくお休みのようだったぜ。だから公園に向かって歩いていく途中の道にあった〝豚の人形焼き〟という珍しい物を見つけたから買うことにしたんだぜ。楽しみだと思ってるんだぜ。公園に来たオイラは、最初にベンチに座って美味しい物を食べることにしたんだぜ。手に持った〝豚の人形焼き〟の箱を開けてみることにしたぜ。中には切り分けた丸い形の人形焼きがたくさん入っていたんだぜ。外側はこんがりと茶色い感じに焼けていたけど中の方はほんのりピンク色になっていたんだぜ。食べ進めているうちに中から甘くておいしいクリームが出てきて美味しかったからあっという間に食べ尽くしたんだぜ。そしたらオイラのお口の中で何かが歯に当たりながら舌に伝わったんだぜ。齧ってみるとすごく硬くて美味い味だったんだぜ。もしかしてと思っていたんだけど、かみ砕いてみたら小さな骨の欠けらが顔を見せたぜ。これが豚さんの部分なんだなと納得したぜ。

続きは明日話すからオイラは寝ることにするぜ。じゃあおやすみだぜ、あぃをゅえぴじ♪ また次の日な!



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