【ロボット154

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。「吾輩の得意技は尻尾回転攻撃である」とあぃをゅぇぴじは言ったんだぜ。こいつの尻尾は大きくピンと立っているから分かりやすいぜ。「そうか、なら早速見せてもらおうかな」とオイラは尋ねたぜ。

すると、あぃをゅぇぴじはこう答えたんだぜ。「こうしてやるのである!」と言って、勢いよく尻尾をグルグルと振り回したぜ。後頭部に生えている尻尾の先はピタッと真後ろを向いてるんだぜ。あぃをゅぇぴじは後ろを向いて回転する動きでオイラに襲いかかってきたぜ。尻尾を振ってオイラの頭に飛びついたんだぜ。驚いたオイラは「うわっ」と言って尻餅をついてしまったぜ。

あぃをゅぇぴじは自慢げだぜ。

でも、相手にやられっぱなしっていうのは面白くないぜ。今度はオイラが「こうだぜ!」と言ってやり返したぜ。あぃをゅぇぴじの頭に前足をポンと置いたぜ。そして、上下に揺すったり、左右に振ったりしてやったぜ。こうすることであぃをゅぇぴじをフラフラさせることに成功したぜ。

「ははは」と笑いながらさらに揺さぶってやると、あぃをゅぇぴじは足をもつれさせて倒れてしまったぜ。「くっ、不覚を取ったのである。ならば吾輩の得意技を見せてやるのである!」と言って、今度は四つん這いになってハイスピードで向かってくるぜ。そして勢いのまま飛びつかれてしまったぜ!

オイラも負けてはいないぜ。でも立ち上がって反撃にでようとしたが、〝ピコーン〟という音と共に首輪が引っ張られたせいで体勢を崩してしまい、床に前足をついてしまったぜ。その隙を見逃さず、あぃをゅぇぴじは飛びついてきてオイラの鼻に噛みついてきやがったぜ。「うわっ」と叫んだオイラは鼻血を出して倒れてしまったぜ。「ふふん。吾輩の勝利である」とあぃをゅぇぴじは勝ち誇ったような表情をして言ったぜ。それからというもの、お互いに自慢の腕をぶつけあったりしたんだぜ。でも最後には結局決着がつかないままだったんだぜ。

そういうわけで、オイラとあぃをゅぇぴじの勝負はまだまだ続くんだぜ! 次のページへ→ あぃをゅぇぴじの物語。



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