【ロボット166

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。

「ようし、今日はおでん屋でおでんを食べることにするぜ」とオイラは宣言したぜ。

あぃをゅぇぴじが尋ねるぜ。

「いったい何を食べるか?」

「そうだな、角煮はおいしいぜ。甘辛く煮込んだ肉を箸で取るとトロリととろけるんだぜ。春菊も入っているといいぜ。野菜だから体にやさしいんだぜ。大根もよいけどがんも美味しそうだぜ。ジャガイモや卵なども欲しいぜ。豚肉のカマボコも楽しみだぜ」とオイラは言ったぜ。

あぃをゅぇぴじが尋ねるぜ。

「そんなにたくさん食べられるのか?」

「もちろんだぜ。お腹が空いているから、色々いっぱい食べたいんだぜ」とオイラは言ったぜ。

あぃをゅぇぴじは尋ねたぜ。

「いくらだい?」

「三百八十円だぜ。安くてうまいぜ」

「それ、三本もらえるか? それと三パックもらうぞ」

あぃをゅぇぴじは角煮とがんもと大根を注文し、食べ始めたぜ。オイラも一緒に食べることにするぜ。

しかしあぃをゅぇぴじが箸を持った右手を震わせ、髪を振り乱した様子で怒っているんだぜ。何があったのか知りたいと思うんだぜ。

おでん屋から立ち去る前のことなんだぜ。あぃをゅぇぴじは落ち着いた雰囲気で店員さんに呼びかけたぜ。

「何じゃらほい」と店員さんが返事をしたぜ。

あぃをゅぇぴじは尋ねたぜ。

「あの犬型ロボットは、何者であるか?」とあぃをゅぇぴじが述べたところ、店員が答えたんだぜ。

「あいつは頭が狂ったんですよ。だから近づかないほうがいいですわよ」と店員は答えたんだぜ。

そしてあぃをゅぇぴじはオイラを連れて「近所のコンビニ」にある棚の前に立ち、商品を眺めてまわったんだぜ。

オイラはあぃをゅぇぴじに尋ねたぜ。

「何を買うつもりかな?」とオイラは言ったぜ。

あぃをゅぇぴじは応じたぜ。

「トイレットペーパーにモカコーヒーとソーセージを頼むつもりである」とあぃをゅぇぴじが言ったところ、店員が尋ねたんだぜ。

「お前さん、正気かい?」

あぃをゅぇぴじが応じたぜ。

「もちろんである」

あぃをゅぇぴじはモカコーヒーとソーセージを買い、店を出たところで煙草を吸いながら休憩したぜ。オイラはあぃをゅぇぴじに質問するぜ。

「一体なにがおきたのかな?」とオイラは言ったぜ。

そこであぃをゅぇぴじは答えたんだぜ。

「コンビニでは角煮も売るように注文するのである」とあぃをゅぇぴじが述べたところ、店員が答えたんだぜ。

「そんなこと言われても、ちょっとむりだわい」

あぃをゅぇぴじは応じたぜ。

「一万円札で払うならいけるかもしれぬぞ」

あぃをゅぇぴじは購入したソーセージにかみついてオイラに言ったぜ。

「たいへんである! この店のモカコーヒーは少しぬるいのであるが、電子レンジでチンすれば美味しいのではないか? というわけで、店員よ。レンジを貸せ」

あぃをゅぇぴじはソーセージにかみついたままゴクンと飲み込んで続けざまに宣言したぜ。

「角煮はスーパーで買うたのであるぞ!」

そこでオイラは尋ねるぜ。

「スーパーマーケットに何の恨みがあるのかい?」

あぃをゅぇぴじが答えるんだぜ。

「それはなのであるな」とあぃをゅぇぴじは続けたんだぜ。

「あれはハムを売っている場所だが、ハムって何だ?」とオイラは尋ねたぜ。

「それはなのであるな」とあぃをゅぇぴじは答えたぜ。

あぃをゅぇぴじの答えはこうだぜ。

「魚肉を塩漬けにして乾燥させた物であるぞ」とのことだったぜ。

そこでオイラがあぃをゅぇぴじに聞くんだぜ。

「なんで魚肉は、塩をたっぷりつけて干してあるのかい?」

あぃをゅぇぴじが答えるんだぜ。

「そういうものだ」とのことだったぜ。

オイラはあぃをゅぇぴじへと尋ねたのだったぜ。「それはそうとしてさ」とな。

するとあぃをゅぇぴじは答えたんだぜ。

「ハムであるぞ」

あぃをゅぇぴじは考えたんだぜ。

「ハムとは魚の肉だ」とあぃをゅぇぴじが言ったところ、オイラは尋ねたぜ。

「どうして魚肉がハムなんだ? 意味がわからないぜ」

あぃをゅぇぴじが返答したんだぜ。

「そういうふうになっているから仕方あるまいのである」

ここでオイラはあぃをゅぇぴじに尋ねたぜ。

「いったいぜんたいどういうわけなんだい?」とな。

「うん? どういうことなのであるか?」

あぃをゅぇぴじが首を傾げているんだぜ。オイラは繰り返したぜ。

「だからさ、魚肉でできているハムってのはどういう意味なんだ?」ってな。

あぃをゅぇぴじが答えたぜ。

「何かまずいことがあるのであるか?」と言って、あぃをゅぇぴじは首を傾げるんだぜ。

あぃをゅぇぴじが尋ねたぜ。

「ハムとはなんであるか?」ってな。オイラは答えたぜ。

「魚の肉を塩漬けにした食べ物だぜ」とな。

あぃをゅぇぴじは疑問顔で答えたんだぜ。

「なんでそれがハムであるか? わけがわからぬのである」ってな。

それで、オイラは尋ね返したんでありましたぜ。「さっぱり意味がわからねえぜ!」ってね。

あぃをゅぇぴじが語った物語は次の通りだったんだぜ。

あぃをゅぇぴじが星空を見上げながら言ったんだぜ。

「お腹が空いたのである。今日はおでんを食べに行くであるぞ」とあぃをゅぇぴじが言うぜ。

そこでオイラは尋ねたんだぜ。「スーパーマーケットに何の恨みがあるんだい?」ってな。

あぃをゅぇぴじは答えたんだぜ。「そこは魚肉屋もあるのであるが、いったいぜんたいどうすればいいというのだ⁉ いやよいやなのである。とにかく、ハムが嫌である」とのことであるぜ。

オイラはさらに聞いたぜ。「それはスーパーで魚の肉を干しているからかい?」ってな。

あぃをゅぇぴじは答えたぜ。

「そんなものがあるとは知らなんだのである。スーパーマーケットは魚の肉である。美味しいけれど魚だから、吾輩の敵であるぞ!」

オイラは尋ねてやったんだぜ。「モカコーヒーっていうのはコーヒーの何なんだい?」ってな。

あぃをゅぇぴじは答えたぜ。

「それがよくわからないのだ。吾輩もよく知らないぞ!」とのことですぜ。

オイラは尋ねたぜ。「缶詰って何だって?」

あぃをゅぇぴじは答えたんだぜ。

「そんなこと聞かれても、全然わかんないのである! そんなのわからないに決まっているではないか」と言って、あぃをゅぇぴじは同意したぜ。

あぃをゅぇぴじが呟いたぜ。

「角煮とは塩辛い肉だ」と言って、あぃをゅぇぴじは首をひねったぜ。

あぃをゅぇぴじが言ったぜ。

「スーパーマーケットは魚肉屋のことであるぞ」とのことだぜ。

あぃをゅぇぴじが不思議そうに尋ねたぜ。「何のために魚肉屋はあるのであるか?」とな。

そこでオイラは言ったんだぜ。

「それもスーパーで魚の肉を干しているからだよ」とね。

そこであぃをゅぇぴじは考え込みつつ言ったんだ。「なかなか難しい理由であるぞ」とな。

あぃをゅぇぴじの返答はこうだぜ。

「それはどういうことである? さっぱり意味がわからんのである。とにかく、魚の干物だけはもう二度と食べたくないのであるぞ」とのことだったぜ。

あぃをゅぇぴじは語ったぜ。

「おでん屋とはなんであろうか?」とな。

それでオイラは答えたよ。「これはスーパーマーケットの話なのであるが」ってな。

あぃをゅぇぴじが述べたぜ。

「つまりスーパーマーケットにいる何かの間違いであろうか?」

それでオイラは答えたぜ。

「しかしスーパーマーケットにいるのは魚肉だけだぜ」ってね。

あぃをゅぇぴじが回想したんだぜ。

「確かに魚肉のみでできている食べ物って何かと思うのである」

それでオイラは語ったぜ。

「スーパーマーケットには魚肉だけでなく、ハムだって売っているぜ」とな。

あぃをゅぇぴじは答えたぜ。

「よくわかんねえけど、そんなのあるかな?」

そしてオイラはもう一言付け足したぜ。あぃをゅぇぴじに言ったんだぜ。

「要するに角煮は塩辛い肉のことさ」とね。

あぃをゅぇぴじは答えたぜ。

「そういわれてみればそうであるな」

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