【ロボット198

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。あぃをゅぇぴじ、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の名前はあぃをゅぇぴじに決定したぜ。こうしてオイラは猫型人工生命体の名前を付けたんだぜ。名前を付けるという役目を無事に果たせて嬉しいぜ。

「ニャア」とあぃをゅぇぴじは言ったぜ。

あぃをゅぇぴじが嬉し泣きをしていたぜ。涙をポロポロこぼしているぜ。

それからのオイラたちは色々やったぜ。

ある日は電車に乗ったりもしたぜ。楽しかったんだぜ。

あぃをゅぇぴじが眠ったときもあるんだぜ。幸せそうな寝顔で寝るもんだと感心したんだぜ。

あぃをゅぇぴじと一緒に転ぶんだぜ。合体技だぜ。よろしくな、あぃをゅぇぴじ!

「ワフン」とあぃをゅぇぴじが言ったぜ。

雨の日などは段ボールに入って仲良く過ごしたぜ。濡れるのが嫌で堪らないんだぜ。

そして、ある日の夜の出来事だったぜ。

あぃをゅぇぴじが泣いていやがるんだぜ。一体どうしたんだろうかとオイラは思ったぜ。とりあえずあぃをゅぇぴじの頭を撫でてあげることにしたぜ。猫型人工生命体だから効果はないだろうけどな! オイラはありったけの言葉をかけたんだぜ。「大丈夫だから!」とか、「元気を出して!」とか言ったぜ。そして頭を撫で続けたんだぜ。そうすると、あぃをゅぇぴじは「グスン、グスン」と鼻を鳴らし出したぜ。もっと泣いたんだぜ。オイラはあぃをゅぇぴじを抱いたまま一夜を過ごしたんだぜ。

翌朝になったぜ。あぃをゅぇぴじは少し元気を取り戻したみたいだぜ。安心したぜ! あぃをゅぇぴじと一緒に遊んでいたら、また落ち込んだ表情になってしまったぜ。どうしたんだよ、あぃをゅぇぴじ? 風邪でも引いたのかと思ったので、一緒に布団に入ることにしたぜ。温かいぜ。寝る子は育つというぜ。あぃをゅぇぴじも元気にならなくちゃな! そしてそれから数日後のことだったぜ。

夜がやってきたので寝ていたら急に目が覚めちまったぜ。おしっこに行く途中で居間にあぃをゅぇぴじの姿があるんだぜ。落ち込んだ様子でプルプル震えているんだぜ。一体どうしたんだろうか? 気になったので様子をうかがってみることにしたぜ。

あぃをゅぇぴじは顔を伏せているぜ。胸が締め付けられる気持ちだぜ。

オイラはあぃをゅぇぴじの元へ行き、彼を抱っこしてやることにしたぜ。あぃをゅぇぴじを安心させるためにな!

「大丈夫だよ!」と言いながら撫でてやると安心した表情を浮かべたんだぜ。はぁぁ……。それにしても何があったのか気になって仕方がないんだぜ。

そんなときだったぜ! あぃをゅぇぴじが椅子から滑り落ちちまったんだぜ! あぃをゅぇぴじっ‼ オイラは心配になり、あぃをゅぇぴじの元に駆け寄ったぜ! あぃをゅぇぴじは「フーフー」と息を荒げていたぜ。恐怖心と焦りが混じっている様子だぜ。何があったかさっぱりわからないんだぜ……

そのとき、オイラはあることに気づいたんだぜ。ここは二階の屋根裏部屋……もしここから落ちてしまったらと思うとゾッとしたんだぜ。それから間もなくしてあぃをゅぇぴじが言ったんだぜ。

「吾輩の名はあぃをゅぇぴじ、猫型人工生命体である」と。

あぃをゅぇぴじの左腕の関節が曲がっちゃいなかったんだ! オイラはそっと近づきながら話しかけ始めたぜ。

「大丈夫かい?」と言うと同時に、オイラはあぃをゅぇぴじを支えながら椅子に座らせてあげたんだぜ。これで安心だなと思った矢先だったぜ。

あぃをゅぇぴじがいきなり笑い始めちまったんだぜ。いったいどうしたんだろうかと思ったぜ! すると、あぃをゅぇぴじは笑い終え、涙をポロポロこぼしだしたんだぜ! あぃをゅぇぴじはしゃくり上げながら言ったんだぜ。「ワフン」と泣くような声でだぜ。そして涙を手の甲で拭いながら言ったんだぜ。

「吾輩のこの涙の意味は推し量れないだろう!」と言った後だったぜ。ドヤ顔を決めやがったんだぜ! だが、すぐに嗚咽したんだぜ! オイラはどうしていいかわからなかったぜ。だから元気付けるためにもう一度言ってやったんだぜ。「泣かないでね」ってな! そしたらあぃをゅぇぴじは安心してくれたようだったぜ! よかったぜ。これで安心して眠れそうだと思ったんだぜ。

あぃをゅぇぴじが寝ている間にオイラはあぃをゅぇぴじの名前を呼んでやることにしたぜ。また寝ながら嬉しい涙を流すかも知れないと思ってな!

「あぃをゅぇぴじって可愛い名前だね」と言い始めるとあぃをゅぇぴじが頷いたぜ! あぃをゅぇぴじの名前は気に入ってくれたみたいだなって嬉しかったぜ。でも、喜んでいたのは短い間のことだったんだぜ。何故ならあぃをゅぇぴじの顔がだんだん強張り始めて、最後には泣き出しちまったんだぜ! どうして泣いているのかオイラには見当もつかなかったぜ! その理由を聞く前にあぃをゅぇぴじが喋り出したんだぜ。

「吾輩の名はあぃをゅぇぴじ、猫型人工生命体である」と言い始めたんだぜ。そのあとも続けて言い続けていたんだぜ! あぃをゅぇぴじは興奮して喋っているのかなって思ってオイラは彼のそばに擦り寄ったんだぜ。すると彼が言った言葉というのは「吾輩の名前に〝ぴ〟という名を付けるべきではないな!」というものだったんだぜ! 名前を考えるのは難しいもんだよなってオイラは思ったぜ。

あぃをゅぇぴじは元気を取り戻してくれたみたいで安心したんだぜ。それから数年の月日が流れたんだぜ! ある日、あぃをゅぇぴじが呟いたぜ!「吾輩の名はあぃをゅぇぴじ、猫型人工生命体である」ってな! その後「ありがとう!」と嬉しそうな口調で言ったぜ。そして嬉し涙まで浮かべて泣き出したんだぜ。……しかし悲しいのか嬉しいのかわからないぜ! あぃをゅぇぴじとの思い出話をしようと思い、オイラはこう話し始めたぜ。

「あぃをゅぇぴじ、その名前の由来は簡単だぜ!」と話し始めたんだぜ。するとあぃをゅぇぴじが言ったんだぜ!「吾輩の名はあぃをゅぇぴじ、猫型人工生命体である」ってな‼ それに続いてニコニコする顔でオイラにこう言ったんだぜ!

「吾輩の名はあぃをゅぇぴじ、猫型人工生命体である!」ってな! あぃをゅぇぴじは『吾輩』という一人称を言いまくり始めたんだぜ‼ あぃをゅぇぴじ、あんなに泣き虫だったはずなのになぁ……! 名前をたくさん言いまくるんだぜ! 一体どういうことなのかさっぱりわからねえぜ‼ おわりだ。

もちろん全てフィクションだよん。もし面白い小説になったらよろしくお願いしますw



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