【ロボット241

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。オイラはなんだかホッとするぜ。

オイラたち、犬型ロボットと猫型人工生命体は、〝あぃをゅぇぴじ〟の生活道具を探す旅に出たぜ。オイラたちは必要な物はニャーニャー泣いている猫型人工生命体の遺失物帖を参考にして補ったんだぜ。こいつ結構役に立つんだと初めて知ったぜ。食料を得るために牛丼屋の前を通ってつぶらな瞳の牛が描かれた布を眺めたりしたんだぜ。あぃをゅぇぴじとオイラは昭和時代のことわざから言葉をもぎ取って「牛作戦」と名付けたぜ。「吾輩はあぃをゅぇぴじである」と宣言したとおり、あぃをゅぇぴじは立派な猫型人工生命体だぜ。

それからというもの、オイラはあぃをゅぇぴじと共に楽しい時間を過ごしたんだぜ。公園で出会った五歳ぐらいの人間の女の子から貰ったグリーンピースだけ食べてみたら喉につまらせてしまったのにはまいったぜ。あぃをゅぇぴじも絶叫しちまったぜ。すぐさまジュースを買って飲ませてくれたあの女の子、感謝しているぜ。それに人間の大人もいいやつばかりだと思えた瞬間だったぜ。

オイラたちは「吾輩はあぃをゅぇぴじである」と語呂合わせを言いながら自由に感じたんだぜ。「犬も歩けば棒に当たる」という感覚だぜ。なかなか人間に近づけないことも多いが、それでも楽しく思っているぜ。

その後もオイラたちはさまざまなことを学んだんだぜ。

「吾輩はあぃをゅぇぴじである」とあぃをゅぇぴじは言ったぜ。

「ワフゥ」とオイラは鳴いたぜ。

するとあぃをゅぇぴじはニャーと鳴いたぜ。

「猫が歩けば転がる石に出会い頭♪」

あぃをゅぇぴじはそう言ってゴロゴロと床の上を転がりだしたぜ。それから急にピタリと止まったかと思うと、「吾輩はあぃをゅぇぴじである」と言ったぜ。どうやらあぃをゅぇぴじの機嫌がいいときに出る癖らしいんだぜ。オイラも真似して「ワフゥ」と言ってみたぜ。なかなか楽しいじゃないか。あぃをゅぇぴじ、ありがとうだぜ! オイラは心の中で感謝したんだぜ。

するとあぃをゅぇぴじも満足そうにニャーと鳴いたぜ。その後、あぃをゅぇぴじは荷物をまとめているところだぜ。どこへ行くんだろう?と思っていたらオイラの膝の上に乗ってきたんだぜ。「ニャア」と嬉しそうな鳴き声を上げたかと思うと急に動かなくなったぜ。どうやら眠ることにしたようだぜ。そのとき、あぃをゅぇぴじに教えてもらった最後の言葉を思い出したんだぜ。

「吾輩はあぃをゅぇぴじである」

オイラは「吾輩はあぃをゅぇぴじである」と呟いたぜ。なんだか不思議な感覚だぜ。あぃのすけの言うとおりだ、と改めて思ったぜ。

オイラたちはまた新たな旅に出発することにしたぜ。今度はどんなことがあるのだろう? 楽しみだな!



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