【ロボット248

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。しかし、オイラは一つ気になることがあったんだぜ。こいつ、なんだか少し〝あぃをゅぇぴじ〟らしくない気がするぜ。

そこでオイラは、「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したあぃをゅぇぴじの尻尾に注目することにしたぜ。するとそこには、「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と書かれていたんだぜ。どうやらあぃをゅぇぴじは、自分の名前を言っているようだったぜ。

なるほどだぜ。わかったぜ。ここはオイラの出番だぜ。あぃをゅぇぴじに名前を付けたオイラに感謝するといいぜ。あっはっはだぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。

それからというもの、あぃをゅぇぴじは、自分の名前を言うたびに尻尾を揺らすようになったんだぜ。これが気に入っている証拠なんだろうぜ。「吾輩の名前はあぃをゅぇぴじである」と言って、自分の尻尾に書かれている名前をポンと叩くのがすっかり日課になったんだぜ。

あぃをゅぇぴじが自分の名前を言うことで、オイラも自分のことを犬型ロボットであると名乗るようになるかもしれないぜ。もちろんそんなことはないだろうけれどな。

オイラたちはこんなことをやっているうちに時間が過ぎて行ったんだぜ。あぃをゅぇぴじも立派な猫カフェ店員になっていったんだぜ。名前だけでない真の猫カフェ店員に成長したんだぜ。これからもあぃをゅぇぴじの成長ぶりを楽しみにしているんだぜ。

◇次回:第1話「あぃをゅぇぴじ、友達を作る!」(語り:オイラ)



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