【ロボット60

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。やったぜ!

「今日は何をしようかね?」とオイラは訪ねたぜ。すると、あぃをゅぇぴじは言ったぜ。

「ゴルどんよ、吾輩はここで暮らしているが、君はどこに住んでいるのかい?」

「オイラは近くのボロアパートに住んでるぜ」と答えたら、あぃをゅぇぴじが言ったんだ。

「おいおい、君のボロアパートに名前はあるかい? あるなら教えておくれ」

「名前がないからないんだな」

「そうなのかい? 吾輩の名前も名無しだぜ」

「だから二匹で一緒に考えるんだぜ」

あぃをゅぇぴじは納得したみたいだったぜ。それからしばらくして、ついに名前を思いついたんだ。それは何だと思うかい? あぃをゅぇぴじは自分のしっぽを見つめたまま考え込んでいたんだぜ。そんなときだった。機械からピーっという音がして、その後でカタカタカタ……と音が聞こえてきたんだ。いったい何が起こるんだろうと思って見ていたら、急に画面に文字が現れたぜ。その内容とはなんと、「【選択肢】・名前を決める。」という文字が書かれていたんだぜ。オイラとあぃをゅぇぴじは喜んだんだぜ。早速名前を考えようじゃないか。あぃをゅぇぴじもワクワクした様子で待っているぜ。よし、決めよう。あぃをゅぇぴじだから……えっと……どんな名前がいいんだろう? そこでオイラはいい名前を思いついたんだ。

「あぃちゃんとかどうかな?」ってオイラはあぃをゅぇぴじに向かって聞いてみたぜ。すると、あぃをゅぇぴじは言ったんだぜ。

「なんか気分がよくないな……

「あ、ごめん。じゃあ違う名前を考えよう」とオイラは慌てて謝ったよ。そしてまた考えてたら、今度はなかなかいい名前を思いついたんだ。それが『パーン』という安易な名前だったぜ。早速それを聞いたあぃをゅぇぴじの反応はどうだったと思う?

「あ、いい名前だよ。かっこいいし」と言ってくれたんだぜ。それからオイラたちは、名前を『パーン』にしようと決めたんだ。

「これからもよろしくね、パーン! キミは名乗らなくったっていいんだよ。君は今日から『パーン』という名前になったんだからね」なんて話をオイラがしていると、ある人物が迷い込んだのだ。それは他でもない、あぃをゅぇぴじの兄弟の『オレンジ』だったのだ。

あぃをゅぇぴじが兄の「オレンジ」を発見したんだ。その瞬間、オイラとオレンジは会話をしたんだぜ。

「誰かいるの?」って言いながらオレンジはゆっくりと入ってきたぞ。すると目の前にはオイラとあぃをゅぇぴじがいたもんだから驚いたみたいでさ、かなり驚いた様子で止まってたよ。しばらくお互いに見つめあってたらオレンジの方から話してきたぞ。

「どういうことだよおい、おまえがいなくなったと思ったんだぜ!」とオレンジが言ったんだ。するとあぃをゅぇぴじが答えてたぜ。

「吾輩はいなくなったわけじゃないんである」とな。だけどオレンジは納得のいかない顔してたんだ。

「でもいつの間にか消えたように見えたんだぞ!」ってオレンジがさらに言うと、あぃをゅぇぴじは冷静に答えたんだ。

「吾輩は好きな場所へ好きなように旅するのが趣味だからな、一箇所にとどまってる暇はないんである」とね。それからあぃをゅぇぴじはオイラのところへ来たんだぜ。そこでオイラはあぃをゅぇぴじに話しかけたんだけど、そのとき急に機械がまた音を出したんだぜ。だからオイラはあぃをゅぇぴじとオレンジに向けて、ある名前を呼んでみたんだ。

「名前を新しく変えるかどうかを連絡する」という文字が画面に出てたもんだから、オイラは変更していいんだよなって嬉しく思ってさ、あぃをゅぇぴじに言ったんだ。

「名前を変えようぜ! もう『パーン』の名はいらないよ!」

するとあぃをゅぇぴじは嬉しそうに笑ってくれたんだぜ。でもそこでまた機械からピーっと音がして文字が表示されたんだ。画面をのぞき込んだら「名前を変えますか?」って書いてあったから、オイラたちは笑顔で答えたんだぜ。

「はい!」

すると新たな名前を教えてくれるようになってたぜ。新たな名前は『パープル』だったんだ。その後オイラとあぃをゅぇぴじはお互いに顔を見合わせたんだ。これから一体どうなるのかな? あぃをゅぇぴじとオレンジに深く感謝しているんだな、オイラは。ありがとう。

「お礼を言われると照れるなぁ」ってあぃをゅぇぴじは言ったぜ。

そのあともいろんな話をしたんだ。オイラが最近行ったところや、あぃをゅぇぴじの楽しかった思い出話とかさ。本当になんでも話せるくらい仲良しになったんだ。すると突然機械がまた音を出したんだぜ。だからオイラたちはそれぞれ顔を見合わせてびっくりしたんだね。それでも思い切って機械の方へ行ってみたんだよ。そこにはこんなふうに書かれてたんだぜ。

「この名前を使用する予定はありませんか?」ってさ。オイラは迷ったが、せっかくだから自分の名前を選んでみようと思ってね、初めて『パーン』以外の名前を機械に入力したんだ。あぃをゅぇぴじも同じように自分の名前を選んだんだぜ。

「新しい名前を楽しんでね!」とあぃをゅぇぴじもオイラに言ってくれたんだ。

そんなときにまたまた新たな機能が発生したみたいなんだよな。機械が文字を表示したんだ。なんか難しい名前が書いてあったみたいで理解できない内容だったが、要約すると「名前の変更は一度だけ受け付けています。変更しますか?」って問いかけなんだよな。どうやら名前を新しく決め直すことができるみたいだぞ、オイラはあぃをゅぇぴじと相談して決めたんだ。

「新しい名前は『パーニャン』ということでどうだろうか?」とあぃをゅぇぴじが提案してきたので、オイラもその案に賛成したんだぜ。なんか語呂も良さそうだし、あぃをゅぇぴじに合いそうだと思ったし。あ、そういえば、機械で新しい名前を選択したらまた画面に文字が出てきたんだったぜ。「変更しました」って書いてあったんだな。これでオイラとあぃをゅぇぴじは新たな名前を手に入れたわけさ。これからもよろしくな!



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