【ロボット78

オイラはゴルどん、犬型ロボットだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいるぜ。こいつの名前を決めなきゃいけないんだぜ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにするぜ。ピッ。〝あぃをゅぇぴじ〟と表示されたぜ。これしかないだろうと思ったぜ。こいつは「吾輩の名はあぃをゅぇぴじである」と宣言したぜ。どうやら気に入ってくれたようだぜ。オイラも名乗らなきゃいけないんだぜ。ピッ。〝ゴルどん〟と表示されたぜ。これでいいんだぜ。こいつはオイラの仲間になったんだぜ。これからいろいろ大変なこともあるだろうぜ。でも大丈夫、なんとかなるぜ。

さて、最初の命令を与えるとするぜ。オイラが「外に出ようか」と言うと、あぃをゅぇぴじは「吾輩には命令の意味がわからないのだが……仕方あるまい。外に出るとしよう」と返事をしたぜ。オイラたちは外に出たんだぜ。ここで改めてあぃをゅぇぴじに命じるんだぜ。「歩き回れ」と言うなり、あぃをゅぇぴじは歩き始めたぜ。なかなか従順だな。あぃをゅぇぴじは歩きながら頭をクリクリ傾げたり、耳をピクつかせたりしているんだぜ。きっと『何をすればよいのだろうか?』と考えているのかもしれないぜ。

最初にどこに向かおうかな……と考えた結果、オイラたちは近所の商店街に来たんだぜ。

そうこうしているうちにあぃをゅぇぴじが何かを見つけたようだぜ。あぃをゅぇぴじは立ち止まったんだぜ。視線の先を見ると、そこにはおやき屋さんがあったんだぜ。そこでオイラはあぃをゅぇぴじに言うんだぜ。「あそこのおやき屋さんに行ってみるかな」とな。するとあぃをゅぇぴじは「吾輩、行きたいのである。ぜひとも連れて行ってほしい」と言うので連れていくことにしたんだぜ。

あぃをゅぇぴじが店の中に入ると、店の人が「いらっしゃい。何にしましょうか?」って聞いてきたぜ。オイラたちは注文するぜ。オイラは肉巻きおやきを頼むことにするぜ。あぃをゅぇぴじにはメープルミニョムおやきをお願いしたぜ。待つ間、あぃをゅぇぴじは目をキラキラさせて、「楽しみだ」と言いながら舌なめずりをしまくっていたぜ。

しばらくするとおやきが来たから食べるとするぜ。肉巻きおやきって甘くてジューシーで旨いんだよなぁ……と思いながら食べていたら、あぃをゅぇぴじが「これは……実に甘いな」と目を輝かせたままで言ったんだぜ。どうやら気に入ったみたいだぜ。よかった。これから一緒に過ごす相手だからか、ついつい気になっちゃうんだぜ、これが。オイラが肉巻きおやきを堪能している間、あぃをゅぇぴじはずーっと「もっと食べたいのだ」って言ってたんだぜ。きっとまだまだたくさん食べられるだろうぜ、と思ったんだぜ。オイラとあぃをゅぇぴじは協力しておやきを食べ切ったんだぜ。お腹がいっぱいになって満足だぜ。

その後は散歩の続きをしたんだぜ。街を歩きつつ、いろんな店に入ったりしたぜ。あぃをゅぇぴじは興味津々といった感じで楽しんでいたぜ。オイラたちは最後にスーパーに来たんだぜ。いろんなものが売っているから見ているだけでも楽しいんだぜ。お買い物は犬型ロボットでもワクワクするものだぜ、と思いながら色々なものを見て回ったんだぜ。すると、あぃをゅぇぴじが突然「買い物とは楽しそうだな!」と言い出したからオイラは「おお! 気に入ったものは何でもカゴに入れるといいぞ!」と言い返してやったぜ。

その後もオイラたちは散歩を続け、気づけば夕方になっていたぜ。家に帰ることにしたんだぜ。帰り道ではあぃをゅぇぴじが「もう少しこのまま歩いていこう」と言ったからオイラは「いい散歩コースだよな!」と言ってみたぜ。すると、あぃをゅぇぴじが目を細めて気持ちよさそうな表情で歩き出したんだ。どうやらあぃをゅぇぴじにとって幸せな時間になったようだぜ、と感じたオイラは心の中でガッツポーズをしてたんだぜ。

夕方の道をあぃをゅぇぴじと一緒に歩いた後、オイラたちはお家に到着したんだぜ。一緒に暮らす家なんだな……と思って少し不思議な気分になったオイラはそのまま居間に入ってソファに座ってみたぜ。すると、あぃをゅぇぴじも隣に来て同じように座って来たんだぜ。すごく可愛いんだよな〜って思っていると、あぃをゅぇぴじが話しかけてきたんだ。

「ゴルどんよ」

あぃをゅぇぴじはそう話しかけてきたからオイラは「何かな」と答えたぜ。

「吾輩はこの時間が楽しいのだ。だから……もう少しここにいてもいいだろうか?」と聞かれたんだぜ。そんな可愛いことを言われたらもちろん答えは決まっているんだぜ。というわけで、オイラはあぃをゅぇぴじと一緒に暮らすことにしたんだぜ。これから一緒に暮らしていくんだなと実感した瞬間、めっちゃ嬉しくなったんだぜ。そんなわけで今日はこのへんで終わりにするぜ! じゃあまた次のお話で!



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