【ロボット9

オイラはロボットだよ。名前はゴルどんだぜ。

オイラは今、ニャーニャー泣いている猫型人工生命体の前にいる。こいつの名前を決めなきゃいけないんだ。無作為に文字を表示する機械で名前を決めることにしよう。ピッ。〈あぃをゅぇぴじ〉と表示された。こいつの名前はあぃをゅぇぴじに決定だ。

次にオイラは、この世界の地図を表示した。ニャーニャー泣いていた猫型人工生命体が寄ってきて地図を見た。そして言った。「これは何ですか?」と。

オイラは「世界地図だよ」と答えた。すると、あぃをゅぇぴじは目を丸くして口をあんぐり開けると言った。「これが世界? こんな小さな場所しか描かれていないのが本当に世界なんでしょうか」と。

オイラは「そうだよ。世界はこのくらいの大きさしかないんだよ」と答える。あぃをゅぇぴじは首を傾げた。そして言う。「でも、これだと、ここがどこなのかわからないです」と。オイラは答えた。「ここは、えっと、なんだっけ……

オイラがそう言いかけると、あぃをゅぇぴじが割り込んできた。「それは、ここに書かれている地名のことですか?」と。オイラはうなずいた。

あぃをゅぇぴじは続けた。「では、ここは『日本』というところですね」と。

オイラは驚いた。どうしてわかったのかと聞くと、「だって、『日本語』が書かれているじゃないですか」と言われた。

オイラは思った。「あぁ。確かに、この文字は日本で使われている言葉だったな。忘れていたぜ。そうか。ここが日本で、この紙に書かれた文章が日本語で書かれていて……。あれ? ということは、オイラは日本語の読み書きができるということじゃないか!」と。

あぃをゅぇぴじは言った。「吾輩もできますよ」と。

オイラたちはそれからしばらく二人で話し合った。その結果、オイラはあぃをゅぇぴじからこの世界のことを学ぶことにした。そして、あぃをゅぇぴじはオイラにこの世界のことを色々と教えてくれた。オイラはあぃをゅぇぴじに感謝した。あぃをゅぇぴじは嬉しそうな顔をしてオイラを見つめた。

あぃをゅぇぴじの話によると、この世界にはオイラたちの知っている動物や植物もいるようだ。ただ、この世界にはまだオイラたちの知らない生物がいるみたいだ。例えば、オイラたちと同じ二足歩行をして服を着た生き物がいたり、空を飛ぶ生き物がいたりするそうだ。オイラはそれらの話を聞いてワクワクした。いつか見てみたいなと思った。

あぃをゅぇぴじが言う。「ところで、これからどうします?」と。

オイラは考えた。「まず、この世界のことをもっと詳しく知りたい。そして、この世界の人間と友達になりたいと思うんだ」と。

あぃをゅぇぴじが言った。「この世界の人間は、きっと吾輩たちを怖がるでしょう。だって、吾輩は猫型人工生命体で、ゴルどんは金属でできたロボットですからね」と。

オイラは答えた。「大丈夫さ。オイラは人間の言葉を喋れるし、オイラは人間の姿になれる。それに、もしオイラたちに危害を加えるようなことをしたら、その時は反撃すればいいだけだ」と。

あぃをゅぇぴじはうなずいた。「わかりました。吾輩も協力します」と。

オイラたちは、この世界の人間が暮らしている町へ行くことにした。

オイラたちは森を抜けて平原を歩いていた。道の脇には背の低い草が生い茂っている。遠くの方を見ると山々が連なっているのが見えた。空は青く澄み渡っていて雲一つない。太陽がオイラたちを照らしている。風が吹いている。オイラの背中に乗っているあぃをゅぇぴじが「気持ち良いですね」と言った。

しばらく歩いていると前方に建物が見えてきた。建物は石造りの建物だった。建物のまわりは柵で囲まれていて、入り口と思われるところに門があった。門の前には武装をした兵士が立っている。

兵士の一人がオイラを見て「なんだ、お前たちは?」と叫んだ。

あぃをゅぇぴじが答える。「吾輩は猫型人工生命体です。魔王様に謁見するためにやってきました」と。

「はぁ? 何言ってんだ、こいつらは?」と兵士たちは言った。

「おい、そこの変な奴! ここは立ち入り禁止だ。早く立ち去れ!」ともう一人の兵士が叫ぶ。

オイラたちはその場から逃げようとしたけど捕まってしまった。

「よし、連れていけ」と一人の男が言う。

そしてオイラたちは縄で縛られて馬車に乗せられた。

連れて行かれたのは小さな部屋だ。そこには机があって椅子がある。窓はない。天井に裸電球がついている。壁は石の壁だ。床は土だ。扉には鍵がかかっている。

部屋には誰もいない。部屋の隅にベッドがある。

「この鎖を外してくれよ」とオイラは言った。

でも、誰も返事をしてくれない。

「この鎖を外せよ」とオイラは言った。

やっぱり、何も聞こえない。

「この鎖をはずせー」とオイラは叫んだ。

だけど、やっぱり誰も答えてくれなかった。

オイラはあっちこっち体を揺すった。

それでも誰も答えてはくれなかった。

「誰か助けろよ」とオイラは叫んだ。

だけど、やはり答えてくれる人はいなかった。

「ちくしょう……」とオイラは呟いた。

すると、扉の鍵が開く音がして開いた。

入ってきたのは黒い服を着た男だった。髪は長くてボサボサしている。男はオイラたちをジロリと見る。そして言った。「お前たちはどこから来た?」と。

あぃをゅぇぴじが答える。「吾輩は猫型人工生命体です。魔王様に謁見するためにやってきました」

……」黒服の男は黙っている。

「あの、吾輩は猫型人工生命体です」あぃをゅぇぴじが繰り返す。

……そうか」と黒服の男。

あぃをゅぇぴじが続ける。「はい、そうなんです」

「で、何の用だ」と黒服の男が言う。あぃをゅぇぴじが答える。「魔王様に謁見したいのです」

「それは無理な話だ」と黒服の男は言った。

あぃをゅぇぴじが「どうしてですか?」と尋ねる。

「まず、お前は猫型人工生命体なのか? それとも猫型機械人形なのか?」と黒服の男は尋ねた。

「吾輩は猫型人工生命体です」とあぃをゅぇぴじが答える。

「そうか。じゃあ帰れ」と黒服の男は言った。あぃをゅぇぴじが「えっ、ちょっと待ってくださいよ。魔王様に会うためにここまで来たんですよ」と言う。

「駄目だね」と黒服の男が言う。

「なぜですか?」とあぃをゅぇぴじが尋ねる。「魔王なんて存在しないからだ」と黒服の男が言う。あぃをゅぇぴじは「いいや、いるはずだ」と答える。

「いない」と黒服の男が言う。あぃをゅぇぴじは「いますよ」と返す。「いない」と黒服の男が言う。あぃをゅぇぴじも「います」と言い張る。

「いない」と黒服の男が言う。あぃをゅぇぴじは「います」と答える。

「しつこい奴だな」と黒服の男が言う。あぃをゅぇぴじは「あなたこそ、なぜ魔王がいないなどと嘘をつくんですか」と尋ねる。

「嘘じゃない。本当に魔王はいない」と黒服の男。「では、どこにいるのですか?」とあぃをゅぇぴじが聞く。

「わからない」と黒服の男は答える。

「はぁ、分からないなら仕方がないですね。ところで、魔王はどこにいるのでしょうか?」とあぃをゅぇぴじが尋ねる。

「知らない」と黒服の男は答える。

……」あぃをゅぇぴじは黙った。

……」黒服の男は黙っている。

……」あぃをゅぇぴじも黙っている。

……」黒服の男は黙っている。

……あの」とあぃをゅぇぴじ。

「なんだ?」と黒服の男。

「吾輩たちは魔王城に行かなければならないのですが、道を教えてもらえませんか」とあぃをゅぇぴじが尋ねる。

「無理だ」と黒服の男。

「なぜですか?」とあぃをゅぇぴじが尋ねる。

「魔王城はこの大陸にはないからだ」と黒服の男は言った。

「はぁ、そうなんですか」とあぃをゅぇぴじが答える。

「ああ、そうだ」と黒服の男が答える。

「うーん、困ったな」とあぃをゅぇぴじが言う。

「そうか」と黒服の男は言った。

「まあ、いいや。とりあえず、この森を出ましょう」とあぃをゅぇぴじが言う。

「そうか」と黒服の男が言う。

「ええ」とあぃをゅぇぴじが言う。

「じゃあ、頑張れ」と黒服の男が言う。

「はい」と言ってあぃをゅぇぴじは歩き出す。

「おい、待てよ」と黒服の男が言う。

「なんですか?」とあぃをゅぇぴじは振り返る。

「お前は何者だ? 何のために魔王を探している?」と黒服の男が尋ねる。

「吾輩はあぃをゅぇぴじです。魔王を探しているのは、魔王がいるはずなのに見つからないから探しています」とあぃをゅぇぴじが言う。

「そうか。俺は魔王軍幹部のダレガーだ」と黒服の男⸺ダレガーは言った。

「魔王軍の人ですか?」とあぃをゅぇぴじは尋ねる。

「ああ、そうだ」とダレガーは答えた。

「魔王軍に用があるのか?」とダレガーが尋ねる。

「はい、そうです」とあぃをゅぇぴじが答える。

「そうか……俺の部下が行方不明になったんだ。一緒に探してくれないか?」とダレガーが言った。

「いいですよ」とあぃをゅぇぴじが答える。

「助かる」とダレガーが言う。

「ところで、魔王はどこにいるのでしょうか?」とあぃをゅぇぴじは尋ねた。

「魔王城はここから西の方角にある」とダレガーが言う。

「ありがとうございます」とあぃをゅぇぴじは言った。

「じゃあ、頑張れよ」とダレガーは言って立ち去ろうとする。

「あの、ちょっと待ってください」とあぃをゅぇぴじが言う。

「なんだ?」とダレガーは振り返る。

「魔王城へ行くにはどうすればいいんですか?」とあぃをゅぇぴじが尋ねる。

……魔王城に行けばわかるはずだ」とダレガーは言った。

「そうなのですね」とあぃをゅぇぴじは言った。

「ああ、そうだ」とダレガーは言った。

「わかりました。頑張ってみます」とあぃをゅぇぴじが言った。

「おう、頑張れ」とダレガーが言った。

「はい」と言ってあぃをゅぇぴじは歩き出す。オイラはあぃをゅぇぴじの隣を歩く。

あぃをゅぇぴじは前足を上げて伸びをした。それから後ろ足を曲げて地面に下ろした。オイラも真似してみたけど、うまくできない。

「おい、そっちじゃないぞ」とダレガーが言った。「えっ?」とあぃをゅぇぴじが言う。「こっちだ」と言ってダレガーは西の方を指差す。オイラたちはダレガーについて行くことにした。

しばらく歩いて森の出口が見えてきた。オイラたちの前に白い霧が立ち込めている。あぃをゅぇぴじは「うーん」と声を出した。「どうした?」とダレガーが言う。「迷ったかもしれません」とあぃをゅぇぴじは言った。「そうか」とダレガーが答える。「ここ、どこなんでしょう?」とあぃをゅぇぴじが尋ねる。「さあな」とダレガーが答える。「困りましたね」とあぃをゅぇぴじは言った。「大丈夫だろ」とダレガーは言った。「そうですか?」とあぃをゅぇぴじは言った。「なんとかなる」とダレガーは言った。「ならいいのですが……」とあぃをゅぇぴじは言った。オイラは「まぁ、なんとかなるだろう」と言った。「お前、意外と楽観的だな」とダレガーが言った。「そういう性格だからね」とオイラは答えた。「ふぅん、そうなのか」とダレガーは言って首を傾げた。オイラは「おう」と言って尻尾をくるりと回転させた。

白い霧は晴れる様子がない。

「止まれ!」とダレガーの声が聞こえた。「どうしましたか?」とあぃをゅぇぴじが尋ねる。「誰かいる」とダレガーは言った。オイラたちもダレガーの視線の先を見る。そこには人がいた。黒いマントを着た男が立っていた。男はフードを被っていた。顔はよく見えない。

「魔王の手下だ! 気をつけろ!」とダレガーが叫んだ。「わかりました」と言ってあぃをゅぇぴじは身構えた。オイラも慌てて戦闘態勢に入る。すると男は言った。「僕は魔王の手下ではありませんよ」ダレガーが「じゃあ、誰なんだ⁉」と尋ねる。「通りすがりのフリーターです」と男が答える。「嘘をつくな!」とダレガーは叫ぶ。「本当ですよ」と男が言う。「信じられるか」とダレガーは言った。「困ったな」と男は言った。「お前は何者だ?」とダレガーが尋ねた。「ただのフリーターですよ」と男が言う。「魔王の手下じゃないのか?」とダレガーは言った。「違いますよ。普通の無職です」と男が言う。「でも怪しい」とダレガーが言う。「あなただって怪しいでしょう? どうしてこんなところにいるんですか?」と男に尋ねられた。オイラは「オイラたちは旅をしているんだぜ」と答えた。「へぇ、そうなんだ。奇遇だねぇ」と男は言った。オイラは「そうだぜ」と答えて尻尾をクルリと回した。「僕の名前は佐藤一郎といいます」と男が言った。オイラは「オイラはゴルどん。こっちはあぃをゅぇぴじだぜ」と名乗った。「よろしくお願いします」と佐藤が挨拶をした。

「ところで、佐藤さん、魔王城に用事でもあるんですか?」とダレガーが質問する。「いいえ、別にありませんけど」と佐藤が答えた。「そうですか。では、失礼しますね」と言ってダレガーは立ち去ろうとした。そのときだった。突然、目の前が真っ暗になった。そして、何が起きたかわからないうちに、オイラたちは意識を失った。

しばらくして、オイラは目を覚ました。辺りを見回すと見知らぬ部屋にいた。「ここはどこだろう?」とオイラは呟いた。隣にはあぃをゅぇぴじが寝ていた。「あぃをゅぇぴじ、起きてくれ」とオイラは声をかけた。しかし、返事はなかった。どうやら眠っているようだ。オイラはあぃをゅぇぴじを起こすのを諦めた。それから部屋の中を調べ始めることにした。まずオイラはベッドの下を覗く。何もなかった。次にクローゼットの中を調べる。何もない。机の上には何も載っていない。引き出しを開ける。中には筆記用具が入っていた。他には空っぽのインク瓶があるだけだった。オイラは椅子に腰掛けて一息つく。そして、考える。一体、オイラたちはどこにいるのだろうか? 誰かがドアをノックして部屋に入ってきた。オイラはその人物の顔を見て驚いた。それはダレガー・バズだった。

ダレガーはオイラを見ると言った。「やっと起きたんだな」オイラは「うん」と言った。「ここはどこかわかるかい?」とダレガーが訊いてきた。「わからないんだぜ」とオイラは正直に答える。「そうか」とダレガーは言った。

オイラは尋ねる。「あぃをゅぇぴじはどうなったんだぜ?」と。すると、ダレガーは首を横に振った。「残念ながら、君だけしか助けられなかったよ。すまない」とダレガーは謝ってきた。「仕方がないんだぜ」とオイラは言う。「そうだね」とダレガーが同意した。

しばらく沈黙が続く。オイラは気になっていたことを尋ねた。「ところで、どうしてオイラだけが助かったんだぜ?」と。「君の中の人工知能が故障してしまったんだよ」とダレガーが教えてくれた。「故障?」とオイラは驚く。「ああ、そうだ。人工知能の故障だ」とダレガーは答えた。「それで、これからどうなるんだぜ?」とオイラは心配になって訊いてみた。「修理すれば治るかもしれない。でも、いつになるのかはわからない」とダレガーは言った。「そうなのか……」とオイラは呟いた。

オイラはあぃをゅぇぴじのことを思い出す。きっとあぃをゅぇぴじも寂しがっているに違いない。早く帰ってあげたいと思った。「ダレガー、オイラ、帰る方法を知らないか?」とオイラは尋ねてみる。すると、「魔王城に行って魔王に会うといい。そしたら、帰してくれるはずだ」と言われた。「魔王城に行けばいいんだな」とオイラは確認する。「そういうことだ。だが、一人で行くのは難しいと思うぞ。それに、今から魔王城に行くのは不可能だ」とダレガーが忠告してくれた。「どうしてだぜ?」とオイラは不思議に思って質問する。「君はここに来るまでの記憶はあるかい?」とダレガーが逆に訊いてくる。「うーん。ないんだぜ」とオイラは答える。「それなら、魔王城の場所を知っている人を探すしかないだろうね」とダレガーが提案した。「そうなると、この国にいる人たちの中から探さないと駄目なんだぜ」とオイラは考える。「そうだな。まずは、情報を集めないとな。それと、君の仲間たちにも連絡を取ってみよう」とダレガーが提案してきた。「わかったんだぜ」とオイラは答える。それから少しして、オイラたちは行動を開始した。

最初に行ったのは、酒場だった。そこでオイラは自分の記憶がないことを説明した。そして、仲間に連絡を取りたいことも伝えた。店主さんは親切にいろいろと教えてくれた。「魔王城へ行くには『魔王領』というところを通る必要がある」と教えられた。さらに、魔王領への行き方を教えてもらった。

次にオイラは宿屋に行った。オイラはこの国のお金を持っていないので宿代が払えない。だから、泊まることができない。そのことを説明すると、宿屋の主人は「では、働け!」と言った。オイラは仕事を始めた。

次の日、オイラは冒険者ギルドへ向かった。受付嬢に仕事を紹介してもらうためだ。オイラは受付嬢に事情を説明する。そして、冒険者の登録をしたいと頼んでみた。すると、なぜか怒られた。なぜだ? 解せないぜ。オイラは仕方なく他の方法を考えてみることになったんだ。

その日の夜、オイラとあぃをゅぇぴじは相談することにした。「どうすればいいと思う?」とオイラはあぃをゅぇぴじに相談する。「まずは、この国で暮らすことを考えるべきだと思う」とあぃをゅぇぴじが答えた。「でも、魔王城に行きたいんだぜ」とオイラは反論する。「魔王城に行く方法はあるのか?」とあぃをゅぇぴじが指摘してくる。オイラは何も言い返せなかった。「吾輩たちにできることは、この国に暮らして情報を収集することだけだ」とあぃをゅぇぴじが言った。オイラは渋々納得した。

翌日、オイラは冒険者になった。そして、すぐに依頼を受けることにした。依頼内容は薬草の採取だ。そのついでに、森の奥にある湖まで行って魚釣りをしてみたいと思っている。

オイラは森の中を歩いていた。あぃをゅぇぴじも一緒だ。オイラたちはキノコを見つけた。食べてみると美味しかった。しばらく歩くと洞窟があった。中に入ってみると宝箱を発見した。中には金貨が入っていた。それをすべてリュックに入れた。それから、さらに奥へと進むことにする。途中で道に迷ってしまった。もう引き返すしかないな。そう思いながら歩いていると川に着いた。水を飲みたかったので飲んでみる。冷たくてとてもうまかった。

さぁ、戻ろうと思ったときだった。背後から物音が聞こえてきた。振り返るとそこには巨大な熊がいた。しかも、一匹だけじゃない。十匹以上いるぞ。オイラは逃げようとした。しかし、遅かったようだ。巨大熊が襲ってきた。オイラは必死に逃げようとしたが捕まってしまう。そして、投げ飛ばされた。地面に叩きつけられる。オイラの意識が薄れていく。死ぬかもしれない。オイラは死を覚悟した。そのときだった。何か硬い物がぶつかる音がして、オイラは解放された。見るとあぃをゅぇぴじが戦っていたのだ。オイラは助けてもらった恩義を感じて戦いに参加した。

オイラたちの攻撃が効いているようで巨大熊の動きが悪くなっている。今なら倒せるはずだ。だが、ここで予想外のことが起きた。あぃをゅぇぴじは疲れてしまったようだ。あぃをゅぇぴじは倒れてしまう。こうなったら、オイラが頑張るしかなさそうだ。オイラは巨大熊に向かっていく。爪や牙が痛い。オイラの体にも傷が増えてくる。オイラの自慢の尻尾も切られてしまった。それでも諦めずに戦う。オイラは頑張った。そして、ついに倒すことができた。

オイラはあぃをゅぇぴじに駆け寄る。「大丈夫か?」とオイラは声をかける。すると、あぃをゅぇぴじは元気よく返事をした。「問題ない」とあぃをゅぇぴじは言う。本当に心配させてくれる奴だぜ。でも、無事でよかったぜ。オイラはあぃをゅぇぴじを連れて街に戻ることにした。

オイラが街に戻ると、誰かが近づいてきた。あぃをゅぇぴじが警戒している。「安心しろよ」とオイラはあぃをゅぇぴじに声をかけてやった。やってきたのは人間の男だ。その男はあぃをゅぇぴじを見ると嬉しそうな顔をした。「おぉ! あぃをゅぇぴじじゃないか!」とその人間は言った。どうやら知り合いのようだ。あぃをゅぇぴじが少し緊張した様子で男の質問に答えている。男が帰ったあと、オイラはあぃをゅぇぴじに聞いてみた。あぃをゅぇぴじは「昔、吾輩と一緒に冒険をしていた男なのだ」と言った。なるほどな。それで仲良しなんだな。オイラは納得する。

そういえば、この前、魔王を倒した勇者の仲間に人間がいたな。確か、名前は佐藤一郎とか言っていたような気がする。オイラはその佐藤一郎という人間に興味が湧いた。いつか会いに行ってみようかな。

(了)



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