バレーボール部

「鍛えてください‼」

新入生はそう言うと、バレー部の部室に飛び込んでいった。

バレー部の部室は、スポーツに燃える男たちの汗の臭いと熱気が充満していた。その熱気のほとんどは、ミスターと呼ばれているバレー部の名物男から発散されているものだった。

彼は初めてミスターを見た時、スーパーマンの肉体と星飛雄馬の眼光を目の前で見たかのような恐怖と感動を覚えた。同時に、こんな人間とともに練習をしたら命がいくつあっても足りないと思った。しかし、もう逃げることはできなかった。

ミスターとの練習は厳しく、一人また一人と退部者が出た。しかし、彼はガキの頃に見たアタックナンバーワンを忘れてはいなかった。彼は耐えた。そして人間的にもたくましく成長していった。

月日は流れ、ミスターが去った後の部室で、彼は新入生の声を聞いた。

「鍛えてください‼」

バレー部は人間を成長させるクラブである。


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